米国の若者の6割は「男か女」の区分けに違和感 SNSの「性別欄」も50種以上から選択

米最高裁が同性婚を認める判決を下したことが話題となっていますが、米国の教育現場やビジネスの現場、特に若者を対象とする分野において、セクシャルマイノリティへの対応が不可欠になっています。

米フォーチュンの記事「企業はいかに『ジェンダーのない』社会に向けて取り組んでいるか」によると、米インテリジェンスグループが2013年に行った調査では、驚くことに米国の14~34歳の60%が「性別の区分けは曖昧なものだ」と捉えているそうです。(文:遠藤由香里)

性差から切り離された「ジェンダークィア」選ぶ人も

人間の普遍的な要素をどう認識するか

人間の普遍的な要素をどう認識するか

この結果は、多くの若者の間で「男女」という二択はすでに無意味なものとなっていることを意味します。それに応えるようにSNSのフェイスブックは、男と女しかなかったユーザーの性別の選択肢を変更しました。

今年2月から、米国では「シスジェンダー」や「トランスジェンダー」「インターセックス」など58種類の性別から選択することができるうえ、どれにも当てはまらないと感じたユーザーのために「空欄」を用意しました。

その後、英国でも同じ機能を公開しましたが、選択肢は70種類あるそうです。ちなみに日本語版では、いまだに「女性」と「男性」の2つしかありません。

米ガウチャー大学の学生キャシディー・マディソンさん(20)は、フェイスブックで「ジェンダークィア」を選んでいます。男性でも女性でもなく、両者の間にあるかジェンダーから切り離された存在という意味です。

「フェイスブックのこの変更によって、私のアイデンティティが初めて自分以外の人から保証されたような気がしました。これまでは男子・女子、男性・女性のいずれかというのが当然であって、中間というのはなかったわけですから」

代名詞はHeやSheではなく「They」

また記事によれば、バーモント大学では性別の登録時に「通名」を使うことも認め、自らをHeやSheではなくTheyを使って呼ぶよう選択できるそうです。

このほか、バーニーズニューヨークなどのファッションブランドがトランスジェンダーのモデルを起用するなど、セクシャルマイノリティへのアピールは広がりを見せています。

2014年11月、米大手婚活サイトのオーケーキューピッドは、性別の選択肢を拡大しました。最高製品責任者のヒメイナ・アルメンダス氏は、このアイデアは社員の20%が同性愛者または男女いずれでもないと答えたことから生まれたといいます。

このような問題は急に表れたように見えますが、自身もトランスジェンダー、レズビアン、クィアであるトリニティカレッジのジャック・ギーゼキング准教授は「性やジェンダーアイデンティティにまつわるシフトは一時的な流行りではない」と述べています。

「歴史を振り返っても、性に関してしっくりきていない人たちはずっと存在しました。今起きている変化は、社会を根底から変えるもの。一人ひとりの理解を変えると同時に、人間というものの普遍的な要素をどう認識するか、改める変化なのです」

(参照)Transgender is yesterday’s news: How companies are grappling with the ‘no gender’ society(Fortune)

あわせてよみたい:メディアへの女性進出が進む米国