転職市場において経験者は重宝されることがある。しかし、いくら経験があっても職場が変わればやり方も変わるもので、新人教育は必要不可欠だ。
滋賀県に住む30代女性(サービス・販売/年収100万円未満)は、スーパーの青果係としてフルタイムで週5日、10年間勤務していた。その店が閉店したため、別のスーパーに転職することとなったのだが……。(文:林加奈)
「そこの主任は私よりも若い女性で、こちらが10年青果の経験があったためか、仕事を教えてくれず『やったことありますよね?』の一点張り。同じ職種でもやり方は全く変わるし、値札シール機も初めて使う物だったので、とても戸惑いました」
質問すると「そうしてほしいから置いてるのにわからないんですか?」
転職先の主任は問題のある人だったらしい。初日挨拶でこんな扱いを受けた。
「バイト初日なのにほかのパートの青果メンバーにも紹介してくれず、一人ひとり自主的に挨拶して回りました。以前の職場は新しい人が入ったら朝礼で挨拶をして紹介していました」
仕事でもその雑な対応は変わらなかった。女性が品出しをしていると、その主任は無言で違う種類のイチゴを持ってきて後ろに陳列し始めたので「このイチゴは種類が違いますが、同じ値段でいいんですか?」と聞くと
「そうしてほしいから置いてるのにわからないんですか?」
と難癖をつけられる始末。女性は腹を立てながらも我慢して初日の勤務を終えた。
「そんなペースでやってたら終わらないんで、同時に持って行ってください」
そして2日目には「台車を2台持って来て売り場まで運べ」と指示されたという。すでに開店時間を過ぎており客が入店していたので、2台同時は危険だと判断した女性は1台ずつ運んでいたという。すると
「『そんなペースでやってたら終わらないんで、同時に持って行ってください』と言われ、お客さんのことを考えていないと思いました。挙句12時までの仕事なのに、やることがないからと11時30分で退勤させられました。2日目ですよ!? やることがないのなら野菜やカットフルーツの切り方などを教えてくれたらいいのに…」
さすがに我慢の限界を超えた。帰宅後すぐに店長に電話して退職する旨を伝えたという。
「辞めて良かったです。もともと週5希望だったのに、慣れていないからという理由で週2しか入れてもらえなかったことも不満でした。やったことがあるという理由で一向に仕事も教えてもらえませんでしたし。あのままだといつかお客さんにけがを負わせていたかもしれません」
翌日、退職届を提出するために店舗に行った際にも同様の話をすると、店長は申し訳なさそうな顔しながら話を聞いていたとのことだ。
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【即行退職シリーズ】