唯一無二のカレンダーシェアアプリを運営するTimeTree 5,500万ユーザーの利用を支える敏腕エンジニアを募集
【My TimeTree Routine】2児の父、TimeTreeエンジニアの日常 より「誰かと予定を共有する」カレンダーシェアアプリ「TimeTree」を運営するTimeTree社が、アジア太平洋地域の急成長企業を選出する「FT ranking:High-Growth Companies Asia-Pacific 2024」のIT&ソフトウェア部門で49位(国内8位)にランクされました。
「TimeTree」の全世界の登録ユーザー数は、現在5,500万。そんな人気アプリを開発運営している成長企業は、いまどんな事業に力を入れ、どのような人材を求めているのか。同社最高人事責任者CHCOの奥村奈都子さんに話を聞きました。(構成・文:水野香央里)
アプリ運営10年目。いまも改善に試行錯誤
――実は私は、家族でTimeTreeを利用しているのですが、あらためてどのようなサービスなのか、読者にご説明いただけますか。
TimeTreeの特徴は「誰かと予定を共有する」ことを前提に作られている点です。家族やカップル、サークルやアルバイトなど、さまざまなグループでカレンダーを共有できるだけでなく、予定に紐づくチャットスペースを使ったコミュニケーションが可能です。
ユーザーからは「リビングの壁掛けカレンダーがスマホに入っているみたい」と例えられていたりします。家族や友人、同僚と複数のカレンダーを使い分けることもできます。
現在は国内だけでなく、米国など海外でもユーザーが増えており、全世界の登録ユーザー数が5,500万を超えるアプリへと成長しました。Googleカレンダーなど「共有もできる」カレンダーアプリは他にもありますが、共有に特化したプロダクトはTimeTreeだけです。
――Googleカレンダーで予定を共有しようと思うと、手順の説明が必要ですし、得意ではない人が使い続けるのは難しそうですが、TimeTreeなら「アプリをインストールして、カレンダーに予定を登録して」と伝えればOKですね。
実際に使っていただければ、便利さはご理解いただけるかと思います。明確な競合他社がなく、何をやるにも前例がなかったため、マーケティングや事業開発など、すべて自分たちで挑戦して失敗と成功を繰り返しながら、ここまでサービスを育ててきました。
アプリのリリースから今年で10年目、全世界で5,500万登録ユーザーを抱える今でも、ユーザーに寄り添ったサービスを提供するためにはどうすればいいのか。すべての会社のメンバーが自分ごととして考え、試行錯誤を続けています。
TimeTreeでは創業当初から「『TimeTree』がなかったころ、予定ってどうやって管理していたんだっけ?」と世界中で言ってもらえるようなサービスを目指しており、具体的なユーザー数としてはグローバルで1億アクティブユーザーを一つの目標に掲げています。
新たにリリースしたのは「企業の公式カレンダー」
――とてもユニークなサービスですが、どういう経緯で誕生したのでしょうか。
CEOの深川泰斗をはじめ、当社の創業メンバーはヤフーとカカオジャパンのジョイントベンチャーでメッセンジャーアプリなどの企画運営を行うチームで一緒に働いていました。
プロジェクトの終了後、「このチームでならいいものが作れそうだ」「一緒に働いていたメンバーとチャレンジを続けたい」という思いから、2014年に深川のもとにメンバーが集まったのが始まりで、創業後およそ半年かけて開発したのがTimeTreeです。
――TimeTreeユーザーは基本的にサービスを無料で利用できるわけですが、どのように収益を上げてサービスを続けているのですか。
収益として最も大きいのは2017年から始めた広告配信プラットフォーム「TimeTree Ads」で、ユーザーの予定から「エンタメ系や子育てに関するものが多い」などといった傾向に基づくターゲティングを行うものです。
最近は、ユーザーのカレンダーに登録された「未来データ」を活用し、SNSやコネクテッドTVといった外部の配信面に対して広告配信を行う「MIRAI_DSP」をHakuhodo DY ONEと共同開発しています。
2022年4月からは、月額300円の有料プラン「TimeTree プレミアム」をスタートしました。「TimeTree プレミアム」に加入いただくと、広告が非表示になるほか、予定へのファイル添付や予定の優先表示といった、TimeTreeをより便利にお使いいただける機能が追加されます。
2024年4月からは、公開カレンダー機能の正式版を提供開始し、「企業の公式カレンダー」が数多くフォローできるようになりました。企業やアーチスト、スポーツチームなどの公式アカウントをフォローすると、キャンペーンや公演・試合日程などが自分のカレンダーと並んでご覧いただけるような形ですね。
SNSで情報発信しても、あっという間に流れていってしまい、気付いたときにはイベントが終わっていた、という悔しい経験をした人もいると思います。その点、公開カレンダーは、フォロワーのアプリに「予定」として確実に届くのが強みです。
大規模サービスに求められるエンジニアリングの精度は高い
――現在はどのような人材採用に注力していますか。
特に注力しているのはエンジニアの採用です。当社ではプロジェクトごとにチームを編成して課題に取り組んでいますが、1つのプロジェクトにはプロダクトマネジャーやデザイナーのほか、バックエンド/フロントエンドエンジニアやiOS/Androidエンジニア、SRE(サイト信頼性エンジニア)など数多くのエンジニアが属します。
プロジェクトの数は、そのまま会社の開発力や開発スピードの速さにつながるので、会社のさらなる成長のためにも、プロジェクトに参画してくれるエンジニアの採用を積極的に行っています。
当社のプロジェクトには、大きく「プロダクト」そのものに関わるものと、「ビジネス」に関わるものの2つがあります。
プロダクトに関するプロジェクトは、TimeTreeのアップデートや不具合の修正だけでなく、ユーザーから寄せられる「もっとこう使いたい」「こうなったら嬉しい」といった要望に優先順位をつけながら対応する大切な業務です。多くのユーザーに利用いただく中で、今後も一層増えていくデータや新しい技術への対応についても力を貸してくれる人材が必要になっています。
ビジネスのプロジェクトで現在大きなものが「公開カレンダー」と広告配信プラットフォーム「TimeTree Ads」に関する開発です。特に「公開カレンダー」は多くのメンバーの力が必要になってきていますので、ここで活躍してくださる人材も積極的に採用したいと考えています。
――人材採用はどのように行っていますか。
創業直後は、創業メンバーのリファラル採用だけでメンバーを増やすことができました。しかし近年は事業拡大に伴って求める人材も多様になってきたため、ダイレクトリクルーティングにも力を入れています。
ありがたいことに、当社のアプリを知ってくださっている方は非常に多くいらっしゃいます。しかし、どうしても「家族で使う」「柔らかいコミュニケーションのツール」というアプリのイメージが先行し、会社の技術力の高さが十分訴求できていないと感じています。
TimeTreeは世界中に5,500万の登録ユーザーがいる大規模なサービスで、求められるエンジニアリングの精度も相当なレベルになります。「技術力が高い会社」ということについてもアプリ同様に多くの人に知っていただき、エンジニアの方々に当社に興味をもっていただけると嬉しいです。
情報を能動的に咀嚼し「自律」して行動できる人を求む
――求める人物像や期待することはありますか。
TimeTreeでは「自律」という言葉を非常に大切にしています。入社いただく方にはそれぞれが持っている専門スキルを活かして、会社の目標を自分の業務領域に落とし込み、会社の課題解決について一緒に取り組んでいただけることを期待しています。
カレンダーシェアアプリという前例のない新しい領域では、どんな価値を提供すればユーザーに喜んでもらえるのか、どんなビジネスが合うのか、誰も答えを持っていません。サービスの成長や事業成長のためには、いわゆるトップダウンではなく、メンバー全員で総力を上げて考えていくことが必要になります。
そのため、創業当初から「いいからやれ」ではなく「何のためにやるのか」の目的を全員で共有し、メンバーの自由・自律・協働を通して、プロダクトや組織などを形にしてきました。そして、そうした自律的な動きが生まれやすくなるよう「情報のオープンさ」を大切しています。
例えば、当社ではメンバー全員が、各プロジェクトの進捗から経営会議の議事録まで、あらゆる情報にアクセスできるようになっています。何のためにやるのか(Why)を知り、自身で課題を発見し、その解決方法を提案できる、というような、各メンバーが自律的に動きやすい仕組みを作っています。
なお、Slack Japanの方によると、TimeTreeではSlackのパブリックチャンネルの割合が92%にのぼるそうで、数値の高さに驚いていらっしゃいました(笑)。
――働く環境整備に関する取り組みは行っていますか。
当社では、どうすれば各メンバーが自律的に、最大限の創造性を発揮することができるのか、ものづくりがしやすい環境を作るとはどんなものなのか、と全社員で、組織のあり方や制度、配属などの仕組みを考え、運用し、また見直すことを繰り返しています。
例えばコアタイムのないフルフレックスを取り入れつつ、出社とリモートのハイブリッドワークも可能になっていますが、これは働いた時間ではなく、それぞれが最もパフォーマンスが出せる状態で手を動かすことや創造的に発想すること、チャレンジすることを大事にしていることの現れと理解していただければと思います。
組織として各メンバーをフォローする仕組みも多く用意しています。例えば、新メンバーごとに「この方にはこういうオンボーディングを行なっていくのがよさそうだ」というアイデアを社内で話し合い、内定後のメンターにつないで、パフォーマンスを最大限に発揮できるようサポートしていきます。私たちの考え方に共感してくださる方に、仲間に加わっていただけたら嬉しいです。