床屋で「仕上がりおかしくなっても文句言うなよ!」と怒られてトラウマ “散髪嫌い“になった男性がその後、30年通い続ける店

画像はイメージ(AIで作成)
美容室や床屋は、技術だけでなく居心地の良さも重要だ。投稿を寄せた埼玉県の40代男性は、物心ついた頃から家から一番近い、近所の床屋に通っていた。
その店は40代くらいのおじさん2人が経営しており、店内ではいつも競馬のラジオやテレビが流れていたという。(文:金森マリ乃)
「来い! 2-4来い! あー!! なんだよ!」
「あ、坊主、自分で切りやがったな?」
店員が悪態をつきながらカットする店内は、客も競馬新聞や馬券を手にした人が多く、男性は「小学生が通うにはあまり環境のよろしくない床屋だったと思います」と振り返る。
居心地の悪さから通う頻度を減らしていた男性だが、ある日もみあげと前髪のはねっ返りが気になり、自分で髪を切った。その後に観念して店へ向かったところ、当時高校1年生だった男性に対して店員はこう言い放ったという。
「あ、坊主、自分で切りやがったな? しょうがねぇな。仕上がりおかしくなっても文句言うなよ!」
自分が悪者になったように気落ちした男性は床屋自体が嫌いになったが、数か月後に友人に相談すると
「あー、あの床屋ね。ガラ悪いよな。俺もそれが嫌で行かなくなったし。そうだ、よかったら俺が行ってるとこ紹介しようか?」
と線路沿いのヘアサロンを勧められた。
「マスターが引退する時が来たら、その時は私もスキンヘッドにする覚悟をしています」
訪ねてみると、髭を蓄えた一見怖そうなマスターが笑顔で迎えてくれた。
「今日は初めてだよね? 高校生さんかな、よろしくね」
優しく声をかけられ、世間話で緊張がほぐれてからカットが始まった。会話も弾み、カットの腕も確かで、男性は「初めて散髪が楽しいものだと思えました」と明かす。
それから進学、就職、結婚、子供の誕生、昇進、転職と、人生の節目ごとにマスターに報告しながら通い続け、気づけば30年が過ぎた。
髪がすっかり薄くなり「切る量も少しで申し訳なく思いながらも通い続けています」という男性だが、「もし、マスターが引退する時が来たら、その時は私もスキンヘッドにする覚悟をしています。マスター以外に切らせるつもりはないので」と固い忠誠心を明かしている。
一時は床屋が嫌いになりかけた男性だが、人生の節目を報告し合えるマスターと出会えたことで、いい散髪ライフを送れているようだ。
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