「オワハラとサイレントお祈りはやめて」 大学側が企業に求める切実な要望
人材会社アイデムが運営する「人と仕事研究所」は、全国の大学824校・キャンパスを対象に、「キャリア支援・就職支援に関する大学調査」を実施し、1月17日に結果を発表した。選考につながるインターンシップの是非や企業への要望など、就職活動に対する大学側の姿勢が明らかになった。
「指針がある以上、それより前に選考が行われるのが不適切」
インターンシップは本選考とは関係がないと謳っている企業も多いが、実際にはインターンが選考につながることも多い。
選考につながるインターンシップについて、賛成か反対かを尋ねたところ、「反対」、「どちらかと言えば反対」という回答は合わせて52.4%となっており、「賛成」もしくは「どちらかと言えば賛成」という回答の割合を上回った。
「指針がある以上、それより前に選考が行われるのが不適切」という反対意見や、本来は就業体験の場であるはずのインターンシップが選考の場になっていしまっていることに疑問を呈する声が聞かれた。
一方、賛成意見としては、「学生にとっても自身の特性に合った企業を選定しやすくなる」、「企業にとっても、面接だけでは評価できない学生の資質、能力を評価できる良い機会」という意見がみられた。インターンシップは、学生と企業のマッチングの機会になっているということだろう。
国公立大と私立大を比較してみると、私立大の方が賛成している割合が高い。これについて調査担当者は「私立大学の方が就職活動に積極的で、インターンシップで学生の人柄を評価してほしいと思っているからではないでしょうか」と語っていた。
国公立大学の方がオワハラ被害に遭っている?
求人企業への要望としては、「”オワハラ”や”拘束”をしないでほしい」という回答が77.0%で最も多くなった。
近年、急速に認知されるようになった「オワハラ」。企業が学生に、「他社の内定を断れば、うちの内定を出す」といった話をして、就職活動を終えるように圧力をかけることがあるという。こうした圧力をかけられると、学生は自由に就職活動を続けることができなくなってしまう。
「オワハラはやめてほしい」という回答は国公立大でより多かった。企業としては、国公立大の学生に入社してほしいがために、ついつい強引な手法に訴えてしまうのかもしれない。
他にも、「求人内容や職場情報を”正確に”伝えてほしい」(70.1%)といった回答が多かった。昨今、ブラック企業の問題が社会問題化しているため、職場環境や雇用条件などに神経を尖らせているのだろう。
「選考結果は必ず学生に伝えてほしい」(66.8%)という回答も。不合格の学生に対して「お祈りメール」すら送らないという「サイレントお祈り」。いつまで待てばいいのかわからずに困惑したり、蔑ろにされたと感じたりする学生が多いという。
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