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出世できないのは「女性差別」のせいか 厚労省係長の訴えにネットで賛否

厚生労働省の女性係長が、18年間にわたって係長職に留め置かれているのは不当だとして、国に対して謝罪と損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたと報じられた。

このニュースに対しては、ネットに女性係長を賞賛する声があがる一方で、「感覚が年功序列すぎるのでは」「本当に女性差別が原因なのか」といった疑問を呈する人もいて、賛否両論の意見が交わされている。

「能力差によるものじゃないって、どう立証?」

1021sabetsu国を訴えたのは、1989年に旧労働省に入省した50代の女性。96年に係長に就任して以降、昇任はなかった。一方で同期の男性職員は2004年から06年に課長補佐級に昇任しており、昇任していれば受け取れたはずの賃金など660万円あまりの支払いを求めている。

女性閣僚2人が辞任した直後のことでもあり、「女性が輝く日本へ」を掲げる安倍内閣にとってイメージダウンにつながりそうな頭の痛いニュースだ。ネットにも、

「女性登用とか言ってるお膝元の中央官庁でこのお粗末」
「またまた安倍晋三のお題目だけの女性登用への強烈なカウンターパンチがw」

と辛らつな批判があがっている。民間の職場で「女性差別」が当たり前に起こっているとして、「素晴らしい勇気!支持」「これからはどしどし提訴すべし!」と女性係長を激励する人も少なくない。

その一方で、国家公務員が国を提訴する展開に疑問を抱く人もいる。

「女性だから、が理由なのかな…?」
「能力差によるものじゃないって、どうやって立証できるんだ?」

50代で係長クラスはつらい、という指摘もいるが、就職氷河期以降に入社した若手世代には、そもそも「歳をとれば出世する」という感覚を持たない人もいる。

「は? 同期が昇格してるから私も昇格してなきゃおかしいってか?」
「(女性係長の訴えには)年功序列という思想があるように思える」

事務次官の村木厚子氏はどうコメントする

なお、女性が所属する厚生労働省は、女性係長と同じ旧労働省出身の村木厚子氏が事務次官を務めている。これを理由に、厚労省が「女性差別」を許す組織とはいえないのではないかと見る人もいる。

「女性でも事務次官になれるようになった。昇進できないのは差別のせいじゃない」
「男性の間にだって同期の中であいつだけ全然出世できないって残念な人いるじゃん」
「使えない奴は男だろうと女だろうと何十年経っても昇任しないと思うんですけど。ソースはウチの親父」

女性係長が国家公務員II種試験合格者ということで、「ノンキャリアだからそんなもんでは? 安倍の思想を利用して出世しようとしているとしか思えない」という厳しい意見も。その一方で、もし同じような差別があれば今後動きがあるかもという見方もある。

「他の女性職員はどうなんだろう。集団訴訟にした方がよさそうなもんだけど」

また、「昇任していれば受け取れたはずの給与」として請求した額が660万円だったことに、「世知辛いな」とツッコミを入れる人も。仮にこの10年間の差額だとすると、年に60万円という計算になるためか。

厳しい批判もある中で、本人の処遇について上司が「納得のいく説明」をできていなかったのは間違いないとして、「厚労省側が処遇の論拠に何を出してくるかだな」と裁判の行方に期待する人もいた。村木次官も、コメントを求められるかもしれない。

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