6月は内定辞退者数が急増する季節 「企業は様子のおかしい学生に気を付けて」
2017年卒が就活をしていた2016年は、経団連加盟企業の選考開始時期が6月1日に変更された年だった。最も内定辞退率が高かったのは6月で約7%だった。7月(約6%)、5月(約4%強)がそれに続いた。8月と9月は内定辞退率がともに3~4%だった。10~2月は辞退率がさほど高くないが、入社直前の3月になると辞退率が跳ね上がることがわかった。
EDGEの担当者は、それぞれの時期に辞退をする学生の傾向について、次のように語った。
「大手の選考が解禁になるのは6月です。それ以前にどこかの会社から内定をもらっていたとしても、大手の選考が残っていると正直に伝えている学生が多い。もし大手から内定が得られれば、それまでにもらっていた内定を辞退することになります。
7~8月になると内定をもらってからこっそり就活を続けていて、他の企業からも内定を獲得したという学生が増えます。3分の1はすぐに辞退を伝えますが、3分の2は自分からは言い出さず、人事担当者から確認をされたときなどに伝えるようです」
入社直前の3月になると、「辞退するタイミングをなくしたままずるずると3月を迎えてしまい、直前になって慌てて辞退する」という学生が増えるという。「ぎりぎりになって大手から内定が出た」というパターンもある。
「大手では2月の後半に不足した分を補欠で採用することがあります。そこで大手から内定をもらえた学生がこの時期に辞退することもあります」
「年明けから連絡が取れなくなり、入社直前にメールで辞退」
入社直前に辞退された事例として、
「社内報に新入社員紹介ページを作成したいと連絡をしたら、電話口で辞退したい旨を伝えられた」
「年明けから一切連絡が取れなくなり、入社直前になりメールで辞退の意向を一方的に通告してきた」
といったケースがあったという。
前出の担当者によると、「内定者懇親会の出欠確認を送ったときに辞退してくる学生も一定数いる」という。内定を出していた学生に直前になって辞退されれば、企業にとっては痛手だ。
「学生が辞退してしまうと、採用活動を終えられず、再び会社説明会を実施したり、役員面接の日程を調整したりと企業にとっては大きな負担になります。採用活動が長引くことで、インターンを実施できなくなったり、新入社員研修にしわ寄せがいくこともあります。企業の人事担当の方には、日ごろから学生とコミュニケーションを取ることで学生の様子がおかしいということにいち早く気が付いてほしいと思います」