茂木健一郎さんら香りと勉強の強い結びつきを語る 「香りで感情を制するものが受験を制する」と学生にエール
パーソナルアロマディフューザー「アロマスティック」の新カートリッジ「for Study」を発売したソニーが、6月21日東京・六本木でトークイベントを開催した。脳科学者の茂木健一郎さん、杏林大学神経精神科名誉教授で、香りと脳の関係を研究する古賀良彦さん、モデル兼アロマインストラクターの原裕美子さんらが登壇した。
「現代人は毎日が試験みたいなもの」
同商品は昨年10月に販売された、持ち運べるアロマディフューザー。スイッチ1つで5つの香りを出すことが出来るため、準備や後片付けに煩わされることなく手軽に楽しめるのが特徴だ。
これまで「for Business」など4種類の香りカートリッジが揃っていた。6月8日に出た「for Study」には、「日々の学びを支える5つの香り」として、メイチャン、オレンジ、フォーカス、ローズマリー、ジンジャーの香りが内蔵されている。
会場では、3人が試験の思い出を披露。古賀さんは教習所で運転免許を取った時、教官の付けていたポマードの匂いで集中力が切れたという苦労話を紹介した。
原さんが、アロマインストラクターの試験勉強の際、香りを嗅いで勉強すると覚えが良かったと感想を述べると、古賀さんは、
「記憶の中枢と匂いの中枢は重なっているところもあります。香りを嗅ぐことで、思い出せなかった記憶が出てくるというのは、脳の構造からしても不思議なことではないです」
と、香りと記憶の結びつきを説明した。
茂木さんは「変化の多い現代は毎日が試験のようなもの」と自身の考えを披露し、会場に集まった参加者に、
「スマートフォンやインターネットなどが生まれ、朝起きると毎日世界が変わっている。変化の多い時代では、毎日が試験みたいなもの。だから、毎日学び続けることが大事」
と、呼び掛けた。
香りにはコミュニケーション力をアップさせる効能も
古賀さん曰く、勉強時にはまず悪い香りを排除することが大事だという。リビング学習など、自室ではなく生活空間で勉強する際には、カビやホコリなどの生活臭が集中力に悪影響を及ぼしている可能性があるそうだ。
「教習所の例のように、悪い香りは集中力を削ぎ、パフォーマンスを下げます。勉強をするにあたり最初にすべきことは、好ましくない香りを除くことです」
また、ある香りがコミュニケーション力をアップさせることも、脳の画像データから判明したといい、「面接試験など、面接官とコミュニケーションを取る時にとても役立つと思います」と話すと、意外な効能に他の登壇者も驚いた様子だった。
茂木さんは最後に受験生へのメッセージとして
「受験などの緊張する場面では、感情を制するものが受験を制する。感情にダイレクトに働きかけ、コントロールしてくれるのがアロマ。そういう意味ではアロマスティックを持っていたら、受験のお守りになります。滑り止め無しで全部受かってきた俺が言うんだから間違いない」
とエールを送っていた。