夫婦でGPS共有して浮気防止ってどうなの? 反対する人は「加害者目線を持っている人」なのか
突然だが、「浮気防止にGPSで監視し合おう」との妻の提案に「それイイネ!」と同意する夫って、どうなんでしょうか。というか、監視という手段を使わなければ相手を信用できない関係って、そもそもどうなんですか?
個人的な話で恐縮だが、筆者は「やましいことがなかったらスマホぐらい見せられるでしょ」とか堂々言う人が苦手だ。やましいことがあるとかないとかではなく、そこは人としての尊厳の問題ではないのかと思ってしまうからだ。やましいことがなかったとしても、他人とのラインやメールのやり取りを第三者が目にするのはどうなのか。無駄なケンカが増えるだけのような気がする。(文:みゆくらけん)
オリラジ中田「人はやましいことを思いやすいからこそ抑止力が必要」
ましてや、GPSで互いの居場所を四六時中把握する関係など、気持ち悪い。しかしこれを「便利かつ、浮気防止に良い」とアピールしまくっている人がいる。オリエンタルラジオの中田敦彦だ。7日に放送された「俺の持論」(テレビ朝日系)で独自の浮気・不倫撲滅法をプレゼンした中田は、スマホのGPSやカレンダー情報を夫婦で共有すれば浮気や不倫はなくなると説明。
「魔が差したなんていう言葉があるけど、あれは要するにバレないかもしれない環境があったから。人はやましいことを思いやすいからこそ、それを止める抑止力が必要」
そう熱弁する中田は、自身も夫婦間でこのシステムを採用していると豪語。さらに、この提案に反対したり窮屈に感じたりする人は「加害者目線を持っている人」、つまり浮気や不倫をやりかねない人だと言い切った。今後、GPS共有は普及すると考える彼は、
「2017年時点ではGPS共有不倫撲滅論は俺の持論。でも数年後、皆さんの常識になっているかもしれません」
とも。巧みなプレゼン力に思わず「テレビショッピング向きだね」などと感じてしまった筆者であるが、訴えには1ミリも賛同できない。それにもし「夫婦・恋人間でのGPS共有は当たり前」な時代が来たら、それに伴って本当の居場所がバレないような対策アプリなど、ごまかすための何かがが出てきて「結局意味ないね」に落ち着きそうだ。
GPSで浮気は防げるかも知れないが「それを使わない事が信頼」という声も
番組を見た視聴者からは「夫婦GPS制、普通になればいいのに。やましいこと無ければ全く問題なくない?」などと、中田の持論に賛同する声も多く挙がっていた。一方で、
「かなり危険な発想な気がする。監視カメラを窮屈と感じないことが『当たり前』なように、夫婦、恋人間でも監視体制を構築することを推奨する発想」
という声も挙がっていた。筆者もこれに共感で、監視という手錠で人を管理し合おうという発想がまず怖い。人はそこまで動物なのか、理性や考えるチカラはないに等しいのか、と。「手錠が切れれば自由の身」前提な気がするし、「監視していないアンタが悪い」みたいな風潮になったら世も終わりだ。
GPSで互いに監視し合って、結果死ぬまで浮気はなかった―。それって本当に喜ばしいことなのだろうか?相手の意思ではなく、無理矢理作った浮気できない環境の結果なのに?
「中田の持論、大して説得力なし。信用・信頼を持てなくなった人間が陥る心理。簡単な方法はある。しかし、それを使わない事が信頼だ。それが人間だから面白い」
視聴者からのこのコメントに深く考えさせられる。
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