「男性はどうやって悲しみに耐えるの?」という質問 そこに男女の性差はないのでは
あなたは悲しみに耐性があるタイプだろうか。それとも、悲しい出来事に直面すると、脆くも崩れ去るタイプだろうか。
僕はどちらかと言えば前者だ。そりゃ泣くこともあるが、いつまでも起きたことにショックを感じたままでいてもしょうがないというスタンスである。同じような人も多いだろうし、逆にちょっとした悲しみに出くわすだけで、数日引きずるタイプだっているだろう。悲しみに引きずられる人と、気にしない人。その差は一体どこにあるのか。
先日、ヤフー知恵袋に「男の人はどうやって悲しみに耐えるのですか?」という質問をする女性が現れた。(文:松本ミゾレ)
「女性は悲しみに弱い。男性は強い」というステレオタイプ丸出しの考え方
この女性曰く、自分は女なので、辛いときはお酒を飲んで号泣するというが、男性が泣いているところを見たことはないという。その上で男性、特にお酒を飲まない人はどうやって悲しみを紛らわすのか知りたいというのだ。
なんというか、女性だから悲しみに弱い、男性だからメンタルが強いという前提になっているので、つい「そういうもんじゃないのでは?」とか思ってしまった。悲しみへの耐性に男女差があるとは、思いもよらなかったからだ。
個人的な交友関係を俯瞰して思い起こしても、悲しみにとんと弱い男はいたし、くよくよと悩まない女もいた。男だから~とか、女だから~という考え方が適正な場合もあるにはあるが、悲しみへの耐性となると、そこにどれだけの差があるのかは、ちょっと疑問である。
……おっと、つい懐疑的な態度で物を考えてしまった。こういうことばかりしているから、僕は売れないのだろう。
「男だって泣く」「話を聞いてもらう」男性の回答に見る悲しみとの向き合い方。
ちょっとここで、この投稿に寄せられた男性たちからのコメントをいくつか紹介してみたい。
「男だってお酒に逃げたり泣きますよ。かえって男の方が弱いですよ」
「男はみんな強がりなんですよ。人目のないところでこっそり泣いてたりするものです。みんなの前で泣けるというのは、感情が豊かで自分に正直なまっすぐな方なんだなと尊敬するレベルです」
「まぁ一般的には、誰かに話を聞いて貰うのが最適なのでしょうネ! 『他人に話しただけで、その悩みは、50%解決する』と言われているそうですから」
こんな感じで、えらい勢いで「男だって泣く」という回答が目立つ。質問をした女性と同じく、お酒に頼って泣いてしまうという男性だって、この調子では結構多いのだろう。
しつこく被せるけど、やっぱり僕は、悲しみへの向き合い方に男女差なんてないと思う。悲しいことが起きてしまえば、そりゃ誰だって一旦は涙が出る。悲しいから泣く。これは当たり前の話だ。
ただここに個人差があって、ある程度悲しみに沈んで泣いているうちに、気持ちが切り替わりやすいタイプと、そうでないタイプがいるだけの話なんじゃないだろうか。僕はある程度泣いたらすっきりする。
この投稿者の女性だって、号泣した後はある程度気持ちも晴れているかもしれない。泣いてリセット。程度の差はあれ、これは誰でも当たり前にこなしているルーチンの一つというだけのことではないだろうか。
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