1位は平均年収1500万円の「GCA」 上場企業2600社の給与ランキング
東京商工リサーチは5月21日、上場2681社の年間平均給与調査の結果を発表した。2017年の年間平均給与額は599万1000円(中央値586万3000円)。前年の595万3000円から3万8000円(0.6%)増え、2011年の調査開始以来、6年連続の増額になった。
平均年収のトップは、M&A助言会社のGCAで1559万円。前年2139万6000円から580万6000円と大幅に減少したが、4年連続で首位を守った。2位は不動産業のヒューリックで1530万6000円。都心の駅近に多くのオフィスビルや賃貸マンションを保有し、高収益を反映して前年の6位から順位を上げた。
5~10位は三菱商事、伊藤忠などの総合商社が占める
3位は朝日放送で1515万8000円。4位は中小企業のM&A仲介では最大手の日本M&Aセンターで1418万8000円だった。
5位から10位には総合商社が5社ランクイン。5位に三菱商事(1386万2000円)、6位が伊藤忠商事(1383万8000円)、8位が住友商事(1255万1000円)、9位が丸紅(1221万3000円)、10位が三井物産(1213万5000円)だった。前年11位の丸紅は2年ぶりにトップ10に入った。7位は工作機械用NC装置製造のファナック(1318万3000円)だった。
平均給与が1000万円を超える企業は29社で、前年より1社減少。全体のわずか1%だった。平均給与が2000万円を超える企業は、前年はGCAの1社あったが、2017年は2014年以来、3年ぶりにゼロだった。
業界別に見ると小売業が7年連続最下位で475万円
業種別の平均給与では、 最も高かったのは建設業の695万3000円(中央値694万9000円)。2年ぶりにトップに返り咲いた。最下位は7年連続小売業で475万円(同463万8000円)だったが、4年連続で前年の給与額を上回っている。この結果について東京商工リサーチは、
「小売業は建設業と並ぶ”雇用の受け皿”の側面を持ち、新卒や非正規社員数が多く全体給与が押し下げられやすいが、深刻な人手不足で待遇改善に動いていることがわかる」
と分析している。
増加率のトップは電気・ガス業(前年比2.8%増)。2位の建設業(同2.7%増)と共に、2%以上の伸び率だった。電気・ガス業は、20社のうち12社で前年の平均給与を上回った。