「美味しい店の知識を披露し合う人を見るのが苦手」そこまで興味のないことを、延々と話されるのは辛い
世間には美味しい料理を提供してくれるお店が山のようにある。誰もが知る名店もあれば、ときには知る人ぞ知る隠れ家的な店だってある。
たまに、そういったお店の知識が豊富な人に出会うと「ああ、食通なのかな」と思う。でも、「すごいな」とは思わない。美味しい料理は好きだけど、そんな話をしたところでお腹は膨れないし。(文:松本ミゾレ)
「食通度合いでマウンティング取り合ってるのかな?」
先日、はてな匿名ダイアリーに「異常に美味しいお店に詳しい人たちが苦手」という投稿があった。投稿者は「異常に美味い店に詳しい人が2人以上揃うと、こういうトークが延々続いて反応に窮する」という。よほどこういう話が嫌なのだろう、
「食通度合いでマウンティング取り合ってるのかな」
「向こうは良かれと思って教えてあげてるという感覚だろうし。こっちはそこまで興味ないんだよなぁ」
とも書き込んでいる。
うん、気持ちはわかる。食に限らず、自分の専門外の話題で自分以外が盛り上がると、なんだかその場に居づらいし、僕の知らない共通の知人の話とかで盛り上がっていると「それ今話す必要ある?」と思ってしまう。
この投稿には、様々な意見が寄せられているが、投稿者に肯定的な声も割と多い。
「ボクはそういった人びとのことを食通ではなく食痛と呼ぶことにして近寄らないようにしている」
「タチ悪いのが例えば焼き鳥食べてるときに、どこどこの焼き鳥が旨いみたいな謎のもっといい店知ってるアピールしてくる人」
「そういうのもオタトークだと思うんだけど、変に偉そうにしてくるから嫌だよね」
ざっとこんな具合に、料理の話で妙に盛り上がれる人のことを苦手とする意見はちらほら目についた。
「グルメオタクとして正しいあり方」「得意ジャンルが被ったオタク同士の楽しい意見交換」
もちろん「グルメオタクとして正しいあり方じゃん」「得意ジャンルが被ったオタク同士の楽しい意見交換」という反論もあった。でも、コメントにもあったけど、彼らって「どこそこの店が美味いよ」って話を、平気な顔して飲食店でしちゃうよね。あれ、デリカシーないと思う。
だってヨソの店が美味いって話を、その店の従業員やマスターも聞いてるんだもん。なんかこう、「今じゃないだろ」って思っちゃうんだよね。でも食通気取りってそういう配慮がないようだ。僕の周りだけの話かもしれないけど……。
美味しい料理は人を笑顔にするかもしれないが、美味しい料理の話で盛り上がって周りの人を置いてけぼりにしてしまうと、周囲の笑顔を消しかねない。