新卒採用、人員確保に企業苦戦 6割が「夏以降も採用継続」優秀かどうかは「学歴」より「協調性」「やる気」で判断
マイナビは7月11日、「2019年卒マイナビ企業採用活動調査」を発表した。調査は6月5日~6月19日にかけて実施。 3008社の新卒採用実績のある企業の採用担当者から、6月時点の採用活動動向について回答を得た。
「6月時点での採用数確保に向けての感触」を聞くと、「予定数の確保は難しい」(33.8%、前年比3.1ポイント増)が「ほぼ予定数を確保できそう(24.3%、前年比0.3ポイント増)」を9.5ポイント上回った。
企業規模別に見ると、従業員数が少なくなるほど「ほぼ予定数を確保できそう」と回答する割合も低くなる。売り手市場で大手志向の学生が増えるなか、中小企業が採用に苦戦している様子がうかがえる。
大企業の6割「HRテックに興味あり」 採用管理や求人マッチングでの活用意欲高い
「予定数の確保は難しい」と回答した業種は「建設」(41.8%)が最多。「小売」(41%)も同程度だった。一方で、「マスコミ」や「金融」など、学生人気が高い業種では「ほぼ予定数を確保できそう」の割合が高くなるなど、業種によってかなりの差があった。
地域別では、「四国」、「中国」で「予定数の確保は難しい」と回答した割合が4割近くに上った。
6月末時点での学生の内定率は76.3%に達しているが、採用環境の厳しさから、夏以降も採用を継続する企業は多く、65.0%の企業が、追加の選考機会を設けると回答した。特に、従業員規模が「300人未満」(63.4%)の企業や「非上場」(62.4%)の企業で継続の意思が強い。業界別に見ると「小売」(77.8%)、「建設」(68.2%)、「サービス・インフラ」(65.7%)で採用に前向きな企業が多かった。
テクノロジーを使って人事業務を効率化する「HRテック」に興味があると回答した企業は36.6%。従業員数1000人以上の企業では約6割に上る。人事業務に取り入れる場合の活用意図は、1位「採用管理」(37.3%)、2位「求人マッチング」(34.8%)、3位「適性検査・アセスメントツール」(28.4%)だった。採用活動の精密化や、マッチング率を最大限に高める目的で活用したいと考える企業が多いようだ。「利用したくない」と答えた企業は17.9%だった。
「新卒採用における学生の優秀さの要素」について聞くと、1位「協調性・チームで働く力」(62.6%)、2位「仕事への情熱・やる気」(58.2%)、3位「言葉で伝える力」(43.2%)だった。一方、回答が少なかったのは「多言語能力」(4.9%)「学歴」(5.2%)で、企業は人間性や意欲を重要視していることが分かった。