「合コンで効果絶大」「福利厚生が充実」安定企業の光と影「ビジョンが見えない」「リスクを取った成長に躊躇する」

全てが好条件な企業はないと、分かってはいるけれど

全てが好条件な企業はないと、分かってはいるけれど

仕事や企業選びで何を重視するかは人それぞれだが、企業の規模や高給、充実した福利厚生など「安定」を求める人もいるだろう。また、ルーティンワークをこなすだけで昇進できるという意味での「安定」を求める人もいる。

ディスコが2020年卒の就活生を対象に実施した「11月後半時点の就職意識調査」では、「就活の中心とする予定の企業の規模」は「業界トップの企業」が19.5%、「大手企業」が41.1%と、大手狙いの学生が6割を超えていた。企業口コミサイト「キャリコネ」には、こうした「安定志向」に関するさまざまな口コミが寄せられている。

「親会社の知名度が高いのでローンに通りやすい」「若い社員も伸び伸び働いている」

「会社そのものの歴史がとても長いことや、大企業の子会社であることもあり、安定志向が強い社員が多いです。社内の雰囲気は落ち着いており、かなり働きやすいと思います。やりたいことがある社員の足を引っ張るような人もいないので、若い社員も伸び伸びと仕事をしています」(営業 30代前半男性 正社員 年収500万円)

「福利厚生は非常に充実している。借上社宅方式であるため、独身者の家賃負担は1割で済む。営業手当も財形貯蓄も地域手当もある。交通費は全額支給。基本給も高いため、燃料卸業界ではトップクラスの収入。一生勤めあげたい安定志向の人には適している企業」(法人営業 30代後半男性 正社員 年収500万円)

「親会社の知名度、ネームバリューが高いので、ローンの申し込みや不動産賃貸の交渉時に名刺を出せば大概はすんなり通る。安定度では日本随一と思われているので、合コンでも安定志向の女の子には効果絶大で、本人がどんなしょぼい奴でもそれなりにモテる」(技術関連職 30代前半男性 正社員 年収600万円)

給与の高さや福利厚生など、安心して働くことができる体制が整っている。知名度から「ローンの申し込みに通りやすい」、「合コンでモテる」などの効果もあるようだ。こうした「一生勤めたい」と思える安定企業は根強い人気がある。入社するのは至難の業だが、くぐり抜けて入ってしまえば心地よい環境が待っている。

「チャレンジングな人間は少ない」「スピード感がない」

一方で、安定志向が必ずしも会社にとってプラスではない場合もある。

「硬直的で大企業。ベンチャー企業とは正反対の社風であり、安定志向の強い人間が多いように思う。自分の身の安全は守られているが、チャレンジングな人間は少ないように感じる。これからの少子高齢化に向けて海外展開が必要になる中で大丈夫か心配である」(技術関連職 20代後半男性 正社員 年収500万円)

「安定志向で愛社精神が高い。リスクを取って成長を目指すことに対しては躊躇するところがあり、スピード感がない。グローバル化を進めてはいるが、社員の内向き思考が強く、なかなか根付かない」(経営企画 30代後半男性 正社員 年収680万円)

「労働環境は非常に良く、人間関係のストレスはほとんど無いのがありがたい。それが会社として良いか否かは別問題で、会社の経営陣は極めて安定志向。変化や挑戦をあまり好まず、社員がどこに向かってまい進していけばよいのか、会社としてビジョンが見えてこない」(制作ディレクター 30代後半女性 派遣社員 年収280万円)

安定志向の社員が多い故に、新しいチャレンジや変化に消極的という口コミも。企業自体が安定体質のため、社会の流れに柔軟に対応する瞬発力に欠けている場合もある。

いまや大企業も安泰とは言えない時代だ。ルーティンワークだけで一生勤められる保証もない。変化をしないままの企業は時代に取り残されてしまう。安定企業への入社を目標にするより、いつ会社が潰れても食べていけるよう自己研鑽しておくほうが、有効なセーフティーネットになりそうだ。