社会人の8割「仕事中に眠気を感じる」 睡眠を妨げる原因「家事」は男性が女性を11ポイント下回る
IT企業のニューロスペースは1月21日、ビジネスパーソンの眠りに関する調査結果を発表した。調査は2018年7~12月に実施し、日勤企業に勤務する男女504人から同社提供の「ニューロスペース睡眠改善プログラム」での従業員睡眠課題アンケートを回収。
睡眠に対する満足度は「全く満足していない」「あまり満足していない」の合計が74%となった。ビジネスパーソンの大半が睡眠に満足していないようだ。
眠気による仕事への影響、約6割が「業務効率の低下」
理想とする睡眠時間は平均7.37時間。しかし実際の睡眠時間は平均6.18時間とマイナス1.2時間の差が生じていた。ビジネスパーソンは十分な睡眠が取れておらず、睡眠負債が溜まっている状態にある。
睡眠を妨げる原因は、上位3つが「仕事による帰宅の遅さ」(33%)、「ベッドでのスマホ」(21%)、「通勤時間」(18%)が入り、と仕事の影響が大きいことが分かった。以降、「家事」(11%)、「育児」(7%)と続く。
仕事中に眠気を感じる人は76%で、うち約3割が週3回以上~毎日と頻繁に感じている。時間帯別に見ると「13~14時」「14~15時」(同33%)の時間帯だけでなく、午前中(15%)や15時以降(13%)も眠気を感じている人もいる。
眠気による仕事への影響を聞くと、約6割が業務効率の低下を挙げている。仮眠をとることについて「毎日とろうと思えばとれる」は13%で、「日や状況によっては可能」も40%いるが「不可能」が47%と約半数が回答している。
「女性活躍が推進されつつも女性の家事負担は軽減されておらず、睡眠への不満に」
日勤ビジネスパーソンの睡眠課題を見ると、たくさん寝たはずなのに疲れが取れずだるく感じる「熟睡困難」(49%)、就寝時、意識を失うようにあっという間に寝てしまう「慢性睡眠不足」(46%)、起床時、眠気がありスッキリ起きることが難しい「起床困難」(43%)が三大睡眠課題であることが分かった。
男女別に見ると、「熟睡困難」(女性55%、男性44%)、「起床困難」(女性51%、男性36%)で女性の課題割合が上回っている。睡眠の質に影響する生活習慣は「寝る前の明るい光」(83%)、「休日の寝だめ」(65%)、「ベッドでのスマホ」(55%)が上位3つに入った。
いずれの習慣においても、女性の割合が男性を上回った。睡眠に不満を持つ割合を性年代別に見ると、最も高いのが30代女性(90%)で、女性は他のどの年代も約8割と、男性(全年代7割程度)より高くなっている。
実際の睡眠時間を見ると、男性は6時間に集中している。女性は分布にばらつきがあるが、5時間の人が多い。睡眠を妨げる原因で最も男女差が大きかったのは「家事」で、女性が17%なのに対し、男性は6%。同社は、
「共働き世帯の増加や女性活躍が推進されつつも、女性の家事負担は軽減されておらず、睡眠時間の減少や睡眠への不満につながっていることが推測される」
とコメントしている。