不正を正当化することで、体面を保とうとするのがブラック企業だ。そんな手段を選ばないブラック企業に苦しむ人は多い。キャリコネニュース読者からも、
「多数の店長が、その上の上司の指示で勤怠を改ざんしています。休みもあまりないです。転職、退職するときに散々脅しを受けます。唐揚げ専門のチェーン店です」(30代男性、サービス・販売職)
「外食チェーン勤務時代、上司に『お前が勤務時間通りにタイムカードを押していたら、お前が過労死した時に会社に迷惑がかかるだろ!」と言われ、この会社における従業員の命の軽さを痛感させられました」(40代男性、事務・管理職)
といった声が寄せられている。今回は3人のブラック企業エピソードを紹介しよう。(文:鹿賀大資)
「タダ働きしろ」「賞味期限が間近な商品を買え」と言われる職場
かつてスーパーで働いていた50代男性は、元上司のパワハラについて明かす。入社3日目までは定時で帰れたが、翌日から突如として上司に「残業やれ」と言われるようになった。男性の定時は8時半から17時半だったが、実際は8時出勤の20時退社だった。さらに、
「上司から『ただ働きしろ』と言われたのは驚きました。それに賞味期限が間近な商品を『買え』と言われたり、休日に呼び出されたり」
結局男性は上司のパワハラが原因で身体を壊してしまったという。
サービス・販売職の30代男性は元勤務先を振り返る。月間500時間以上の勤務を9か月も休みなしで続けさせられた職場だ。在籍中に特別な案件も任されたが、「経験豊富な上司でさえ1年以上も進めることができなかった仕事を『2週間でやれ』と丸投げされた」という。
「進捗状況の引き継ぎもなかった。この仕事を”月500時間勤務”とは別に進めなければいけなかった。そのとき部下が勤務中に大怪我をして、家に帰れる時間は1日1時間になった」
仕事中は休憩が取れなかったため、帰りの車の中で1日分のご飯を済ませていたという。帰宅後は「すぐに仮眠、風呂に入って出勤の繰り返しだった」と明かす。帰路での運転時は常に幻覚に襲われ、何度か事故になりかけた。男性は
「それでも給料は残業代もつかず、同年代よりも低い。労基に訴える気すら起きない。辞めてよかった」
と綴っている。
上司に労基違反だと言うと「だって仕方ないじゃない」
かつてインターネットプロバイダの下請け会社で働いていた40代女性は、理不尽な女上司と揉めた件について綴る。会社の受付時間は9~21時で、勤務は8時間勤務のシフト制だった。
そんなある月、人員が足りなくなったことから9~21時の通し勤務を15日間連続でシフトに入れられた。
「以前も『契約社員なのに有給休暇の制度が無い』など、疑問に思っていたことはあったけど、流石に今回は労基違反も甚だしいと感じて上司に直訴。しかし上司は『だって仕方ないじゃない』という態度で、自分含めた数人におかしなシフトを強制しました」
そんな上司は、業務中に私用の携帯で彼氏と電話しだすことがあり、ときには職場の電話も使っていた。そのため職場はクレームに対応を受けなかったり、自分だと対応しきれないことでも上司が受けてくれなかったりと”カオス”な状態だった。
上司は引き継ぎをしないまま定時で帰ることもあった。女性は、「そんな上司に『ちゃんとしろ』と叱られても全く響かず、結局は喧嘩別れ的に辞めました」と振り返る
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