東北医科薬科大病院は2月25日、新型コロナウイルス感染症についての市民向け感染予防ハンドブックをウェブ上で公開した。
現在、新型コロナウイルスに対するワクチンや特別な治療薬はなく、症状に合わせた対症療法が行われている。ハンドブックによると、主な症状は発熱・せきなど風邪に似ているが長引く傾向があり、潜伏期間は2~12.5日と言われている。
基本は「こまめな手洗い、正しいマスクの使用、症状があるときは外出を控えること」
新型コロナウイルス感染症は主に飛沫感染、接触感染により伝播すると考えられている。よく「濃厚接触」という言葉を耳にするが、これは同感染症が疑われる発症者と同居したいたり、閉鎖空間で一緒にいたり、発症者の咳・くしゃみのしぶき・鼻水などの体液に直接ふれた場合のことだ。
家庭でできる感染対策の基本としては「こまめな手洗い、正しいマスクの使用、症状があるときは外出を控えること」を挙げている。同時に感染リスクを可能な限り下げるために手洗い消毒や環境消毒、換気を呼びかけている。
手洗いのタイミングとしては外出から戻った後だけでなく、多くの人が触れたと思われる場所を触った後、咳・くしゃみ・鼻をかんだ後、症状のある人の看病・世話をした後、料理を作ったり食事をしたりする前、家族や動物の排泄物を取り扱った後、自分がトイレを利用した後が挙げられる。手を拭く際は、家族でタオルを共有することは避ける。
洗面台もアルコールもない場合は、アルコールを含んだウエットティッシュで両手を隅々まで丁寧に拭くのも効果的だ。
感染者と1~2メートル以内で接するときは両者ともにマスク着用を推奨
環境消毒も重要だ。部屋のドアノブ・照明のスイッチ・リモコン・トイレのレバー等、家族がよく触れる場所を消毒する。1日1~2回、薄めた漂白剤またはアルコールを含んだティッシュで拭く。漂白剤を使用した場合、拭いた場所がさびるおそれがあるので水拭きが必要となる。
室内のウイルス量を下げるため、日中2~3時間ごとに十分な換気を行い、空気を新鮮に保つことを心がける。症状がある家族とはできる限り部屋を別ける。同じ部屋にいるなど、目安として1~2メートル以内で接するときは両者ともにマスク着用を推奨している。
感染者また感染が疑われる家族を看病する場合、同院は接触のリスクを下げるため「可能であれば、看病を行う人は1人に限定しましょう」としている。看病は手袋やマスクをつけ、使用後はビニール袋にいれて袋を閉じて捨てる。看病のたびにこまめに手洗いする。
その他、手洗い、食事、トイレに関して気をつけることなど日常的に行える予防方法や、実際に家族が罹患した場合の対処法などが記されている。