新型コロナウイルスの感染拡大のため職場の働き方がテレワーク勤務になったものの、また通常出社に戻った人は少なくはない。何かと不満を募らせる人は多く、キャリコネニュース読者からは、
「元に戻そうとする意味が分からない」(40代男性/大阪府/流通・小売系)
「会社としても在宅ワークが『出来る』とわかったのに、なぜか週3日の出社を義務化している。連日の感染者数に無反応な会社に不信感をもった」(30代女性/埼玉県/サービス系)
といった投稿が寄せられている。今回は、会社の対応が許せない2人の女性の体験談を紹介する。(文:鹿賀大資)
「全員で出社しなければ意味がない。誰かが勝手なことをすると、別の誰かが真似をする」
クリエイティブ職の東京都の30代女性は、テレワーク継続を巡る職場の状況に愛想を尽かす。女性の会社では、現在も引き続き在宅勤務が認められている。それは会社としての決定事項だったが、「部長が元々、在宅を良しとしていなかったため」に女性の部署のみ強制的に全員出社となった。
その際に部長は「副社長管轄の部署も全員出社なので、うちの部署もそうする。これは決定事項だ」と言い放った。しかし女性曰く実際は「副社長管轄の別部署は全員出社ではありませんでした」という。
「その部の部長陣に聞いたところ『出社は週2日以上のシフト制』と言っていました。私の部署の人間も、同様のことを他部署の人たちから聞いています。そのため私の部署では、部長も交えた議論を行いました」
しかし部長は「全員で出社しなければ意味がない。誰かが勝手なことをすると、別の誰かが真似をする。チームは皆同じことをするべきだ。俺はこの体制がベストだと思っている」と言ってのけた。
その際、部長は会社が認めているしている「時差出勤すら」認めなかった。女性はそんな部長に対して、徐々に不満を募らせていった。
「以前は、部長とメンバー間の信頼関係もありました。しかし今は、副社長が嘘をついているのか、それとも部長が嘘をついているのか、わかりません。部長は部署内の現況を察したのか、最後の議論の場でMTG内容を携帯でコッソリ録音していました」
それを目撃してしまった女性は「部長への信頼はゼロになりました」といい、「異動を考えています」と書いている。
「一部の古い考えの社員がいる限り、在宅ワークは定着しづらいと思った」
商社系勤務の東京都の20代女性は、通常出社に戻った後、ある理由で退職を余儀なくされた。女性は元職場でのことを振り返る。
「緊急事態宣言中は、ほとんどの社員が在宅ワークで業務にあたっていた。しかし一部役員のみ毎日、出社していた。役員にも在宅ワークが推奨されていたが、彼らは『出社しなければ仕事じゃない』という考えのもと、危険を冒してまで勝手に出社していた」
宣言解除後も女性は諸事情があり部分的に在宅勤務を続けていた。それは上司と社長の許可を得た上でのことだったという。しかし例の役員から「仕事をしていない」と批判されてしまう。
「上司は私の業務進行を把握しており、問題がないことも社長に伝えていた。社長もそれを承認していた。だが役員からの強い批判により、出社か退職を迫られ、結局は退職させられた」
女性は「会社のトップが在宅ワークを認めても、一部の古い考えの社員がいる限り、在宅ワークなど新しい勤務体制は定着しづらいと思った」とこぼす。新天地での活躍を願うばかりだ。
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