事務職として採用されたはずが仕事は「掃除のみ」で退職した女性
障がいを持ちながら働く人は、さまざまな理由から昔より増えている。しかし、働く環境が整備されているとはいい難いようだ。埼玉県の50代女性は、就労移行支援事業所に通っていた。そこに併設されている放課後デイサービスから声をかけられたという。
「『事務担当がおらず、ぜひ』と声がかかり、事務経験があり事務職希望だった私は就職を決めました」
しかし、そこで任されたのは事務とは言えない仕事だった。(文:林加奈)
社長に「あなたは若くない・ブランクある・高卒のお嬢様」と言われる
事務担当で就職したはずの女性が任されたのは「清掃のみ」だったという。
「5年間以上症状は出ていませんが『てんかん』で投薬治療中なので、発作で倒れてしまうのは自分も周りも困るので、立ち仕事ではなく座り仕事を希望していたのは、就労移行支援時代からスタッフは知っています。清掃はできなくはないですが、私の希望ではありません」
「何より『放課後デイの求人の条件に入っているので』と言われ、就労移行支援時代にMOSのExcel Expertの合格したものが役に立ちません」
せっかく取得した資格を生かせない上に、体に負担のかかる立ち仕事をやらされているのだから、女性が困惑するのは無理もない。女性は思い切って社長に退職願を出した。すると
「『あなたは若くない・ブランクある・高卒のお嬢様』と言われました。我慢してきましたが、そのような発言をする人の下では働けなかったです。退職して良かった。これ以上心身壊すのだけは避けたかったので」
と、顛末を明かした女性。企業側は清掃員を雇いたかったのなら最初から清掃員の求人を出すべきだったのではないだろうか。
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