資格は取得できたものの、未経験ではなかなか採用されなかったそうだ。そんな中「大手文具メーカーの下請けの会社」が未経験可の求人を出しており、女性は面接に呼ばれた。
面接当日、小さな会議室には他の応募者が15人程集められていた。集団面接にしても不自然な人数の多さに、女性は「会社説明会だと言っていたかな?」と疑問に思いつつ待っていた。すると面接官がやって来て簡単な会社説明をしたあと、最後に耳を疑うセリフを口にした。
「1人の求人に何百人という数の人の応募があったんですよ。今日だけでなく、何日かに分けてもこの人数。今の会社の説明を聞いて、興味なかったり、周りの方を見て自信がなくなったりして辞退される方は帰ってください。こんな人数面接するのも大変なんで」
転職する以上、応募者はその企業を調べて興味を持ったから来ている。興味がなかったらそもそも面接に来ないだろう。女性もこの面接官の態度に「確かに仕事がほしいけど、こんな会社で働くなんて絶対に嫌」と感じたそう。
「『周りの方を見て自信がないから帰れ』とは何事でしょう?呆れて物も言えなくなりました」
辞退を伝えると「あーはいはい」と返事→無言で退室
衝撃的な面接官の一言に、面接会場は静まり返っていた。既に入社意欲が消え失せていた女性は
「私は辞退します。申し訳ないですが、個人情報なので応募書類一式を返してください。ぜひ応募サイトの情報も削除をお願いします」
と伝え、席を立った。面接官は「あーはいはい。まぁ履歴書とかはちゃんと処分するんで置いて行ってもいいんじゃないですか」と適当な返事をして、無造作に置かれた履歴書の山を見ながら
「えっと…あなたのどれ?この中から探して持って帰ってもいいですよ」
と言った。女性は「個人情報も何もありません」と怒りを覚えつつ、無言で会場を後にした。他の応募者も数名が退室していったそうだが、果たして何人がその場に残ったのだろうか。
「あの時代、確かに企業は“選ぶ側”でしたが『良い人材と一緒に仕事がしたい』という姿勢がない企業で働きたいとは全く思わなかったです。どうしても“採用される側”は下に思いがちですが、こちらも面接で企業を見ているし選んでいることを忘れてはいけないと思います」
今度は企業側が人を雇うのに苦戦する時代になった。上記のような会社はさすがにないと思いたいが、どうだろうか。
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