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真面目に働く人間がバカを見る会社は、意外と身近にあるものだ。大阪府の60代男性は、かつて大手医療用機器メーカーから大規模病院へ派遣され、ベッドなどの修理・管理を行う仕事に従事していた。
ある日、男性が医療用カートのキャスターを修理していた際、他支店の支店長が視察に訪れた。その人物は、男性の仕事観を否定するような驚きの一言を放った。(文:篠原みつき)
「交換しちゃえば楽だし売り上げにもなって一挙両得でしょ」
男性は不具合のあったキャスターを分解し、清掃修理を行っていた。それを見た支店長は、耳を疑うような「提案」を口にしたという。
「なぜ、そんな手間の掛かる修理をしているの? 病院側が壊れていると認識しているのなら直さずに4輪とも修理不可って報告して交換しちゃえば楽だし売り上げにもなって一挙両得でしょ」
修理担当として採用され、現場で実直に作業していた男性にとって、それは到底受け入れがたいものだった。
「いやいやいや、こっちは修理担当として採用されて、そう指示を受けて修理してるのに。直る物を直らないって報告して部品ごと交換しちゃうなんて詐欺じゃん。こいつの考え方おかしいんじゃないの」
当時は一人の支店長の暴言だと思っていたが、事態はさらに悪い方向へ進む。後日、その人物がなんと会社の社長に就任したのだ。
社内の空気は一変し、社長の考え方に同調するような人間ばかりが昇任していくようになった。その光景を目の当たりにした男性は、「ただの詐欺集団に成り下がったな」と感じたという。
「まるでかつてのビッグモーターを想起させるエピソードでした。こういうトップの会社では、正しい仕事を真面目に頑張った者が評価されることは決してありません」
結局、男性は現場から左遷されたタイミングで退職を選んだそうだ。
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