「あの人の指示では動きたくない」と部下からクレームをつけられたという人が、9月下旬のお悩み解決掲示板に悩みを寄せた。「職場の部下たちから言われたことが引っかかり、許せていない部分があります」という書き出しで、投稿者は会社が新しい仕事を始める際、リーダーを任されたという男性だ。なぜか部下たちから嫌われ、冒頭の言葉のほか、次のように上司に訴えられたという。
「あの人とは一緒に仕事したくない」「挨拶を無視された」
「いつも機嫌が悪そうで、報告や相談を受け付けなさそう」
「こっちにばかり指示を出して、自分はほとんど動かない」
話し合いをして表面上は解決したことになっているが、この件以来一切指示をしていない。また一緒に仕事をすることがあっても、「俺とは一緒に仕事するのが嫌なんだろ?とネガティブな感情が出てきてイライラしてきます」と思いを吐き出している。(文:okei)
「どんなに仕事が完璧であっても挨拶もできない態度が悪い上司は嫌」
この投稿にはさまざまな意見が寄せられた。特に多かったのは「自業自得」などと批判的に諭す声だ。
「どんなに仕事が完璧であっても挨拶もできない態度が悪い上司は嫌だな」
「一体何が原因でそれほどまでに人望がないのか、答えの端々からなんとなく感じ取れる気もしていますが……部下って、マウントとる相手ではないですよ」
投稿者は「挨拶を無視してるつもりはありませんでした」と釈明しているものの、「挨拶を返してくれてると認めざる得ない形で挨拶をしようと思います」と続けており、不穏な言動が心配になってしまう。
リクルートマネジメントソリューションズが昨年6月に発表した新入社員の意識調査によれば、上司に期待することのトップ3は、「相手の意見や考え方に耳を傾けること」「一人ひとりに対して丁寧に指導すること」「好き嫌いで判断をしないこと」となっている。
それと対照的にあまり支持されなかったのが、「言うべきことは言い、厳しく指導すること」「周囲を引っ張るリーダーシップ」などだ。若手が求めるリーダー像とは、部下の気持ちを尊重する、ソフトなコミュニケーションができる人と言えそうだ。残念ながら投稿者は、そうした面が足りないのだろう。
「したくない、なんて仕事では通用しないわ」という共感も
現在、部下たちはひとつ上の上司からの指示で動いているそうだ。投稿者は「同じ事をやるんだから、誰が言っても仕事と割り切ってやれよって思うのは、自分が指示する立場だったからでしょうか?」とも主張しており、スレッドにはこれに理解を示すコメントもある。
「主(投稿者)さんからしたらその部下達のプロ意識を問いたいですよね」
「私は主に同情するわ。 ~したくない、そんなの仕事では通用しないわ」
これに対して投稿者は「おっしゃる通り、『やりたくない』でやらないなら、自分のやりたい仕事だけできるところに転職して辞めていけって思います」などと答えている。確かに、上司の態度が気に入らなくても、仕事だからと割り切って働く姿勢も必要だろう。程度の問題はあるにせよ、実際そんな風に我慢して働いている人は多いはずだ。ただ、この件から考えるに、もう部下が一方的に我慢させられる時代ではないとも言えそうだ。
ところで、興味深いことに投稿者は、アドバイスや励ましに返信を書き込むうちに反省や自己分析を深めていた。未経験の仕事に精一杯で周りを見る余裕が無かったことや、「自分の感情をコントロールできないのが、自分の最大の欠点」などと綴り、今後は周りへの感謝と思いやりの気持ちを心掛けると書いていた。辛い思いをした投稿者だが、いい経験にもなったようだ。