リクルートマネジメントソリューションズは12月1日、「テレワーク環境下における会社・上司への信頼に関する実態調査」の結果を発表した。調査は9月中旬に実施し、22~55歳の一般社員551人から回答を得た。
現在勤務している会社について聞いた。「この会社を信頼している」という人は47.2%で、「社外の人から信頼されている」は45.7%、「事業の社会的な地位が高い」は50.1%、「この会社の従業員は会社を信頼している」は35.4%となった。
「社長がテレワーク社員を『働かないものに、誰が給料を払うんだ!』といったと噂に」
上司について聞くと、「信頼している」は53.1%、「信頼に足る人物である」は49.2%、「職場の同僚は上司を信頼している」は42.7%となった。一方、「上司が言うことはあてにならないことが多い」という人も20.3%いた。
「会社への信頼」「上司への信頼」と職場における適応感には相関関係があり、信頼が高いほど適応感が高かった。新型コロナ拡大を機に、働き方にも変化があった中で、会社への信頼が上がったと回答した人は23.2%、下がった人は19.6%となった。
会社の信頼が上がった要因としては、「社員や関係者の健康や安全の重視度合い」(62.5%)が最多。以降は「雇用の安定」、「会社・事業の業績」、「意思決定のスピード」と続いた。具体的に、
「テレワーク実施の判断が非常に早く、その後の業務課題への対応も迅速だった」(IT/技術/40代)
「世界各地でロックダウンが始まった際に社長が全社員に向けていち早く解雇などの措置を取ることはない旨を説明した」(その他サービス/営業/50代)
「経営トップから自社の状況をシェアする会議・メールが定期的に届くようになり、以前よりオープンな雰囲気が出てきた」(IT/技術/30代)
といった声が寄せられた。
下がった要因においても、先に述べた項目が上位にあがっていた。また、
「社長が、テレワークをしている社員たちを『働かないものに、誰が給料を払うんだ!』と言ったことが社内で噂になっています。そのため、会社に対して皆不信感があるようです」(卸売/事務/30代)
など、「経営層の人柄」(30.6%)という声も多かった。
会社への信頼は自身のモチベーションにも影響
今回の調査では、「会社への信頼が上がった」群ほど、テレワーク頻度が「ほぼ毎日」の割合が多く、「会社への信頼が下がった」群ほど「現在は行っていない」が多い傾向があった。テレワークが自社の信頼に大きく関わっているようだ。
「自分からの働きかけが職場での信頼を獲得するうえで重要だと思う」は8割弱だった。会社や上司への信頼関係がある人ほど、自分からの働きかけが重要だという回答の割合が高かった。
実際に意識していることは、細かな情報共有などの「テレワークならではのコミュニケーション上の配慮や工夫」や「主体的な援助要請」、「学びの還元」などがあがった。