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ウーバーイーツ、報酬3割減に組合が怒り 安すぎて”配達拒否”する人も

一部地域で報酬体系を見直し

一部地域で報酬体系を見直し

料理宅配サービスのウーバーイーツジャパン(東京)が3月から、一部地域で配達員の報酬体系を見直したことが分かった。配送距離に応じて算出する方法を変更し、報酬体系は平均で約3割下落したとみられる。

労働組合「ウーバーイーツユニオン」によると、対象地域は福岡県と京都府。新しい算出方法では、報酬が一律300円からのスタートし、複数の配達員が案件受諾を拒否して、注文から時間が経つほど報酬が上がる仕組みを採用しているという。

配達距離に関係なく「報酬は均一」

同組合の担当者は「ウーバー側のアルゴリズムとしては『マッチングが成立しない=需要(注文)大・供給(配達員)小』という判断のようですが」とした上で、

「地域によっては、300円という報酬に納得いかず、配達はできる状態であるが拒否している人もいるようです」

などと明かしている。

一般的な配達員が1か月に稼ぐ賃金については「さまざまな働き方(専業・副業)になりますので、平均を出すのは難しい」として、あくまで一例として京都府の配達員が公開しているブログを紹介する。

同ブログでは3月4日に「極悪Uber新料金のデータ公開します」というタイトルの記事を公開。投稿者が3月1~3日に新報酬体系のもとで得た報酬と、2月以前の旧報酬体系で得られていたはずの報酬を比較している。

投稿者によると、これまでの報酬体系では「320円(店での商品受け取り215円+お客さんへの商品渡し105円)+キロ数×60」で計算され、配達距離が長くなると報酬も増えていた。つまり、配達1回につき最低でも320円は報酬として受け取ることができた。

しかし、3月以降は、ごく一部に時間料金やブーストが付いたものもあるが、その多くは300円均一。全体としては報酬約3割減だ。ブログでも「配送業の報酬で、距離に関係なく均一という事自体が、あり得んと思うのだが」と不満が綴られている。

配達員の生活を無視した新料金体系は「実験行為」

同組合は3月5日に記者会見を開き、抗議声明を発表。声明では「現場の配達員は深刻な混乱と不安の中で稼働するか、あるいは稼働を取りやめるという選択を強いられている」と前置きし、報酬の具体的な計算式の公表と、減額分の補填などを要求している。

さらに、一部地域を恣意的に選定し、配達員の生活を無視した新料金体系を「実験行為」と表現。稼働を辞める配達員が相次ぎ、マッチングが機能しなくなった影響で、利用者にもレストランにも被害が及んでいると述べた上で、

「配達員の生活を破壊し、レストランや利用者をも巻き込んで地域まるごとを実験台にするような行為は、ただちに中止するべきである」

などと強く訴えている。

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