「コロナで営業日を半分に減らされました。出社人数も通常時の3分の1ほどに」と語るのは、サービス業界で働く30代女性(広島県/正社員/営業)だ。それでも業務量は以前と変わらないため、毎日4時間以上もサービス残業をしているという。女性は「会社のためではなく同僚のため、少しでも処理をしようと頑張っています」と語る。
「それにもかかわらず、会社は残業代もボーナスも全額カットしてきました。年収が200万円以上減って、出社のたびにサービス残業をして、お客さんにはイヤミ言われ、上司にはパワハラされ。もし今後この業界が復活しても、数年間は残業代すら出ないでしょうし」
コロナ禍をきっかけに、会社への不信感を拭えなくなった女性は「退職を決意しました」と告げる。たしかに、従業員を犠牲にしてまで、自社の存続を優先するような企業には未来がないかもしれない。女性は「バカバカしくなったんです。『時は金なり』と言いますし、『自分の命を削ってまで、そういう働き方をしなくてもいい』と自分に言い聞かせています」と胸中を明かした。
「大切にしたいこと、優先したいことが仕事ではなくなった」
三重県の40代女性(医療/正職員)は、このコロナ禍で「自分の時間の過ごし方を見直し、退職を決めた」と打ち明ける。一体どのような心境の変化があったのか。女性は「大切にしたいこと、優先したいことが仕事ではなくなった」と思いを綴る。
「今の会社では、前残業・後残業が当たり前。有給取得も言い出しにくい。それに、こちらの意思とは無関係に、会社にとって都合のいい異動や業務を強いられるから」
女性のなかで少しずつ積み重なっていた会社への不満が、今になって噴出した結果とみえる。
この不安定なご時世、急に退職を思い立ち実行に移す人は、なかなかいないだろう。日頃から会社に対する不信感や不満をため込んでいた社員が、有事の際に次々と辞めていくだけに過ぎない。コロナ禍で人材の流出が止まらない企業は、これを機に労働環境を真剣に見直したほうがいいだろう。
※キャリコネニュースでは引き続き
「新型コロナで退職を決意した人」のほか「電話対応が苦手な人、苦手だった人」や【緊急アンケート】「努力は必ず報われる」?などのアンケートを募集しています。