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東大教授が教える”考え続ける力”の鍛え方 多段思考で差をつけよう

『東大教授の考え続ける力がつく思考習慣』

『東大教授の考え続ける力がつく思考習慣』

スマホやテレビの内容をそのまま受け取って、「なるほど、そういうことなんだ」と思ってはいないでしょうか? ”渋滞学”の創設者である東京大学教授の西成活裕氏は、著書『東大教授の考え続ける力がつく思考習慣』で「自分の頭で考え続けること」の重要性を説いています。

高校受験に失敗し、人生初の挫折を経験した西成氏は、反逆精神で東大に合格します。「俺にもできた」と自信を取り戻したのもつかの間、東大には自分より頭のいい大学生がゴロゴロ。悔しく思い、ずば抜けて頭のよい人たちの言動を細かく観察し始めました。

“考える力”は、いつからでも鍛えられる

『東大教授の考え続ける力がつく思考習慣』

『東大教授の考え続ける力がつく思考習慣』

彼らに「なんでそんなに(勉強が)できるの?」と尋ねると、「勉強なんかしなくても、考えれば分かるじゃん」という言葉がよく返ってきたそうです。「いやいや、考えても分からないから聞いているんだ」と思った西成氏。その後もスーパー大学生の共通点を探ったところ、あることにたどり着きます。

それは、「ただ考えるだけではなく、考え続けている」こと。「考える力」は、筋トレやマラソンと同じで、鍛えれば鍛えるほど力がつく「考える体力」だと言います。何か問題に直面したとき、考えることをやめてしまえばそこで終わりです。

しかし、考え続けている限り、思考は広く深くなります。さらに考え続けて、答えをどんどん発展させていくこともできます。本書では、考え続けるために必要な力を”身体の体力”になぞらえて「思考体力」としています。

著者自身、思考体力を鍛え、考え続ける「思考習慣」を身につけられたとのこと。ちなみに仕事を通じて出会った一流経営者やさまざまな分野の第一線で活躍している人たちも「思考習慣」が身についているといいます。

「気合い系」ではなくしっかり考えよう

ビジネス書などでは「すぐに行動しましょう」「考えるよりも行動しましょう」といったことが推奨されています。実際、行動に移すことは簡単なことではありません。ただ、行動に移す人には2つのパターンがあります。それは、考え続けるか、考え続けないかです。

本書では例として、「新規開店した店舗にどうやって人を集めるか」について議論をしていたときのことを紹介しています。思考習慣のない人は「俺に任せろ。お店の前で『いらっしゃいませ!』って大声で叫んでお客を呼び込むから」。いわゆる”気合い系”です。一方、別の人は、客がお店に入ってくる場合、次の3つの行動パターンに分けられると指摘。

1.情報収集をして来た人……情報収集タイプ
2.たまたまお店の前を通りかかった人……ふらっとタイプ
3.前にお店に来たことがある人……リピートタイプ

気合い系の人と比べると、物事を細分化して考える「微分思考力」のレベルが全く違います。さらに、客を増やすためにタイプ別の対策が必要だと説明しています。

1.情報収集タイプ……WEBアプリの開発,ホームページへのアクセス数を増やす工夫
2.ふらっとタイプ……駅前でチラシを配ってお店の存在を知らせる
3.リピートタイプ……ポイントカードやクーポン、口コミ評価での割引など顧客ならではのお得感を高める

思考習慣があれば、やるべきことが具体化します。客を増やしたいという目的は同じでも、呼び込みの1段しか手段を考えられない人と、客層別の対策まで考えられる「多段思考力」ができる人とでは、結果的に大きな差が出る、というのです。

まずは”3段考える”をやってみよう

では、どのようにすれば「気合い系」を脱し、思考の階段を登れるのでしょう。電車に乗っていると、子どもがお母さんやお父さんに「なんで? なんで?」と聞いているのに、親は「うるさい」「分かんない」で終わりにしているところをよく見かけます。これだと多段思考力でいえば、1段も考えていないことになります。

普段の生活の中でざっと見渡しても、ほとんどが一問一答式で、多段思考力は1段、せいぜい2段止まりとあまり深く考えない人が大半です。もちろん、仕事の場面になると思考の段数が大幅にアップする人もいるでしょう。

だとしても、本も読まず、よく調べもせず、人の意見を聞くこともせずに、早く答えを出そうとする人は多いでしょう。まだまだ経験値が少ない人が考え続けることをサボってしまうと、10年後、20年後に、思考習慣がある人たちとの差が広がっていきます。

明日締切の企画書を作らなければいけないとなったときにもタイプが分かれます。「インターネットで検索して付け焼き刃で考えたり、他社で売れている商品を参考にした企画をそれっぽい内容に仕上げたりして早めに提出する」か「いやいやちょっと待てよ、もっと面白い企画を考えてみようとギリギリまで考え続ける」か。

大抵の人は早く終わらせることを優先しがちですが、仕事ができる人は粘り強く考え続けます。もっと言えば、普段からアイデアをメモするなど企画のストックを作っておいて、何度も熟考する人のほうが、よりよい仕事を生み出す可能性が高まるといえます。

西成氏は、どんなに忙しい人でも、”まずは最低3段考える習慣をつけたほうがいい”といいます。そうすると、3段が1段くらいに感じられるようになり、思考の段数が増えていきます。

失敗の数が増えれば増えるほど、消去法で考えられるようになり、結果的に正しい方向の階段へ進んでいけるようになります。失敗を恐れているとこの経験値が上がりません。まずはとにかく”3段考えて実行”してみることが大切です。

本書では、考え続けるとは何か、考え続けるためにはどうすればよいのかなどがさらに詳しく紹介されています。自分の頭で考えず、情報を鵜呑みにしてしまっているかも、と思った人は、読んでみると学びがあるかも知れません。

■書籍情報

『東大教授の考え続ける力がつく思考習慣』
著者:西成活裕
出版社:あさ出版
価格:1400円+消費税

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