働き方改革によって労働環境は改善されつつあるものの、まだまだブラック企業は存在する。キャリコネニュースが実施した「ブラック企業」に関するアンケートには、読者からさまざまなエピソードが寄せられている。(文:コティマム)
はびこる男女差別「男性は私語・ジュース・タバコで残業代2万円以上。女性は0円」
40代の女性は、「以前勤めていた医療・福祉関係の職場がブラックだった」と明かす。
「毎日3時間くらい、検査などでタダ働き。上層部が来る前日は、5時間くらいサービス残業をさせられました」
時間外労働のほか「男女差別もひどかった」といい、女性は、
「男性社員はバックヤードで私語しながらジュースを飲んでタバコを吸う。それで残業代は月2万円以上もらっていました。女性社員は1分1秒休ませず、レジ打ちや掃除の雑用をさせられました。しかも同じ時間働いて、女性社員の残業代は0円でした」
と不満を述べる。ここまであからさまに男女で待遇に差があると、働くのが馬鹿らしくなってくるだろう。女性が職場を”ブラック”と評したのも理解できる。
30代男性は、かつて工場に勤務していたが、会社のブラックぶりに参ってしまい退職した経験がある。
「社長が工場長を兼ねている工場でした。残業代や手当はしっかりともらっていましたが、『残業させてやっている』『社長が帰るまでが仕事』『見て覚えろ』の古臭いタイプの会社でした」
ある時、男性は所用があって定時に退社した。定時退社は何も問題ないはずだが……。
「すぐに社長の奥様から怒号が浴びせられ、借りていた社用車を没収され『歩いて通勤しろ』と強要されました。また、週1回の休みの日も電話が鳴りっぱなしで、精神的に参ってしまったので退職しました」
定時退社したことで、社長の妻の逆鱗に触れてしまった男性。こうした上司がいる職場で働くには、強靭な精神力が必要になる。男性は辞めて正解だったといえるだろう。
就業時刻を30分過ぎるとマイナス2000円
保育士として働く40代女性は、園の体制や園長の態度にうんざりしている。
「『子どもが怪我をして親から苦情がきたら困る』という理由から、公園では乳児を遊具で遊ばせてはいけないことになっている。職員会議で園長に意見すると、その翌日から明らかな嫌がらせをされるようになった。また、『教育』と言って、園長の気に入らない保育士だけ何度も書類の書き直しをさせている」
さらに女性は、勤怠面でも不満を抱えている。
「残業というシステムがなく、就業時刻を30分過ぎるとタイムカードを押すことが許されない。その月1回でも30分を過ぎた職員は、給料から2000円マイナスされる。そのため職員は皆タイムカードを切った後に、長時間の残業をせざるを得ない」
残業したら逆に給料が引かれるなど、かなり悪質だ。しかるべきところに相談するべきか、退職を検討したほうがよさそうだ。
※キャリコネニュースでは引き続き「ブラック企業経験談」のほか「夏のボーナスいくらですか?」やオンライン会議中のとんでもないエピソードなどのアンケートを実施しています。
※アンケート概要
■実施期間
2019年12月19日~
■回答数
719 ※2021年7月21日時点
■アンケート対象
キャリコネメルマガ会員(63万人)やキャリコネニュース読者、キャリコネニュースSNSフォロワー
■実施方法
アンケート集計ツール「クエスタント」を使用
回答ページ https://questant.jp/q/G42CZUHP
■質問項目
・体験した「ブラック企業」エピソードを教えてください。