日本では「大学を出たからといって仕事ができるとは限らない」と言われることもあるが、就職活動や人事評価では「学歴」がものをいう場面もあるだろう。短大卒の40代後半女性は、
「会ったこともない管理職は学歴やポジションでまずフィルターをかけます」
と経験を語る。キャリコネニュースでは読者アンケートで「学歴は必要だと思いますか?」と質問し、その理由やそう思うようになったエピソードなどを募集している。今回は、この女性の経験談を紹介する。(文:okei)
「日本以外の国では、学歴は教養や知性、家柄を反映するとまだまだ思われています」
女性はメーカー勤務(事務・管理/正社員)で年収800万円。短大卒業後、転職でキャリアアップを重ねてきた。
「中小から大手外資系メーカー、そして中堅外資系メーカーへ転職し、最近も中堅外資系メーカーに転職。大手で働いていた時に、一般職から総合職にキャリアチェンジしています」
学歴については、「色々ありますが、学歴はあって損はないと自分の経験上思います」とのこと。大手では、社内の仕事相手は女性のポジションや学歴までは知らない人がほとんどだった。彼女の優秀な仕事ぶりしか見ていない相手からは、「同じポジション」くらいに思われていた。「私が一般職だと知って驚く人もいました」というから、よほど仕事ができる人なのだろう。
しかし、そうした実際の待遇はまた別の話であるようだ。女性は、「同じ仕事をこなしても待遇や給料が全然違います。都合のいいように使われます。葛藤があります」と胸中を打ち明けた上で、
「仕事で関わる人たちは私の仕事ぶりを評価してくれますが、査定となると会ったこともない管理職が集まって部内の査定をグローバルで行います。会ったこともない管理職は学歴やポジションでまずフィルターをかけます」
と厳しい現実を語る。さらに、
「(管理職たちは)自分たちもきらびやかな学歴を持っていることを自負しています。学歴が心理的安心材料になります。自分たちの経験外の事には想像力を持たず、不安を感じます。学歴が低い上司がいたら、学歴が高い部下は不満に思うかも知れません」
などと吐露。
また、「転職をしながらキャリアを積んでいますが、外資系畑で言うと、日本以外の国ではやはり学歴は教養や知性とか家柄を反映するとまだまだ思われています」と説明。こうした経験から、女性は
「若いうちから目標がありやりたいことがあって選択する場合は例外ですが、学歴はあって邪魔にはならず、職業の選択肢を増やす手段だと思います」
と結論を語っている。
どこからが「学歴が高い」と感じますか?という質問には「マスター(編注:大学院の修士課程を修めた後に与えられる学位)以上です」と回答。自身の学歴に対する不満については、「大学を出ていたらもっと楽だったと思います」と後悔をにじませた。