世界経済フォーラムが今年3月に発表した「ジェンダーギャップ指数」で、日本は156か国中120位。先進国の中では最下位となっている。女性の政治家や管理職が少ないことが一因だが、このギャップを象徴するような体験談が、キャリコネニュースに届いている。(文:okei)
※キャリコネニュースではジェンダーギャップをテーマにしたアンケートを実施しています。回答はこちらからhttps://questant.jp/q/ZYVZFJ4M
「卒業したら家庭に入って主婦業をやるんだよね」
台湾出身の30代後半女性は「イギリスの名門大学の学位を取得した後来日し、京大の大学院へ」という華々しい学歴の持ち主。院生時代に現在の夫である日本人男性と出会い、後に結婚した。
この女性が「性別をマイナスに感じた」というのは、夫が勤務先である銀行の上司に「近いうちに結婚する」と報告した際のこと。
なんと、この上司「彼女、卒業したら家庭に入って主婦業をやるんだよね」と言ってきたという。あたかもそれが当然であるかのような口ぶりだが……。案の定、夫が「いいえ、彼女は自分のやりたいことがあるので主婦にはなりません」と返すと、上司は「女なんだから家庭に入れさせなさい」と叱ってきたそうだ。
日本人の筆者が聞いても「いつの時代?」という感じがする発言だが、女性の蔡英文氏が総統をつとめる台湾の人にとっては、もう一時代、古臭く聞こえただろう。
現在、日本で正社員(企画・マーケティング・経営・管理職/年収500万円)として働いている女性だが、今でもこんな「がっかり発言」に出くわしているようだ。「結婚5年目だが、まだ子供を持っていないので(意図的に作らない)、よく『子供を持つことは女の幸せ』と言われ、子供を産むことを押し付けられる」と不満をもらしている。
「アイラブユー」などと変な英語で話しかけられ…
一方、海外生活が長かったという50代後半女性(千葉県/パート・アルバイト/年収100万円未満)は、「ニューヨークで働いている時はまったく平気だった事ですが…」と前置きし、日本でのさまざまな「性別がマイナスになった」出来事を明かした。
「日本で働くようになってから、(私が)海外生活が長いと知るや、年配の男性に『アイラブユー』などと変な英語で話しかけられたり、気軽に触られたりして大変迷惑した。しかもずる賢い事に誰もいない場所で言うので気味が悪かった」
その年配男性、いったいどんな勘違いをして、こんな行動に出たのだろうか。女性の不愉快な体験はそれだけではない。
職場では「エクセルを教えろ」と言われたり、通信障害なのに「パソコンを直せ」と命じられたりもしたそうだ。そういうことは、パソコン教室の先生とか、通信会社のエンジニアとかに言ってほしいものだろう。女性は「こういう不愉快な思いが日本の勤務では多いです」と憤りを綴っていた。
※アンケート概要
■実施期間
2021年2月5日~
■回答数
126 ※8月24日時点
(記事では、8月7日から8月15日に寄せられた投稿を紹介)
■アンケート対象
キャリコネメルマガ会員(63万人)やキャリコネニュース読者、キャリコネニュースSNSフォロワー
■実施方法
アンケート集計ツール「クエスタント」を使用
回答ページ https://questant.jp/q/ZYVZFJ4M
■質問項目
・「男だから」「女だから」と自分の性別がマイナスになっていると感じたエピソードを教えてください(状況、言われた内容など詳細にお願いいたします)。