キャリコネニュースに「ブラック企業で働いた」経験談を寄せてくださった、40代前半女性(職種:教育・保育・公務員・農林水産・その他)は、こう明かす。
「有給の制度がないと言われました」
厚生労働省によれば、年次有給休暇は、労働基準法第39条で「一定の条件を満たしたすべての労働者に与えなければならない」と決まっている。有給がないというのは、不可解だ。(文:okei)
「仕事もろくにできないのに権利ばかりを主張するな!」有給申請した人を吊し上げ
だが、その会社は「法律よりも会社のルールが絶対」という、ブラック企業の典型のような労働環境だった。
「ある時、この事情を知らない人が有給の申請をしたところ、全社員の前で、『仕事もろくにできないのに権利ばかりを主張するな!長年勤めてる人でさえ有給の話がないのにふざけるな!数年前にみんなで今のルールを決めたのに会社のルールを破るな!』と半日ほど罵られていました」
と女性は説明。当然の権利を願い出た人が、全員の前で吊るし上げられたのだ。会社側の理不尽な主張は次のように続く。
「もし、有給制度を作るとしたら、6割程度しか(給料を)支払わない」
「有給を取れる人と取れない人の不公平が生じるし、働いてる人から給料を分けてもらうことになるから、全員が納得する理由がない限り有給は使えない。そもそも働いてもいないのに金を払うのはおかしい」
結果として、
「有給制度がなくなりました。法律より社内ルールということです」
と、女性は諦めたように説明している。
「給与振込の手数料は本人が負担するのが当たり前」と怒鳴られる
この会社の疑問点はそれだけではない。今まで現金手渡しだった給料の支払いが、振込みに変更されたときのことだ。
「会社で指定した金融機関以外に振込みする場合の手数料は、給料天引き」
のルールが決められたという。
女性は「『手数料が掛からない人との不公平があるし、会社が負担するのはおかしい。本人が負担するのが当たり前だ』と怒鳴られました」と振り返る。
女性は続けて、「会社側から金融機関を強制してはいけないことと、給料は全額払わないといけない労基のルールに反している行為です」と記していたが、こうした指摘を会社側は聞き入れなかったのだろうか……。
※アンケート概要
■実施期間
2019年12月19日~
■回答数
827 ※9月3日時点
(記事では、8月1日に寄せられた投稿を紹介)
■アンケート対象
キャリコネメルマガ会員(63万人)やキャリコネニュース読者、キャリコネニュースSNSフォロワー
■実施方法
アンケート集計ツール「クエスタント」を使用
回答ページ https://questant.jp/q/G42CZUHP
■質問項目
・体験した「ブラック企業」エピソードを教えてください。