女性によれば、「その日は、単発の派遣スタッフさんが来た日」だったという。
空いているロッカーがなかったため、社員が自分のロッカーに荷物を置くように指示をした。つまり一つのロッカーを共同で使うことにしたのだ。派遣スタッフはもともと時短勤務で退社。異変に気づいたのは夕方だった。
「夕方、社員が化粧直しをしようとロッカーに置いている化粧ポーチを見ると口紅とマスカラが無くなっていたそうです。職場に戻り、女子社員に落ちていなかったか質問をしていたところ、上司が『お財布見てきて』と。財布を見ると1万円札が1枚だけ抜き取られていたそうです」
上司は共同でロッカーを使うことを、もともと危ぶんでいたのかもしれない。女性は
「今まで盗難なんて発生した事も無いし、お札を盗るのは理解できますが、人の使いかけの化粧品を盗る人がいるのに驚きました」
と衝撃を語る。その後は「(疑惑の)派遣の人が次に来た時に、ロッカーで盗難があったが被害は無いか?とそれとなく聞こう」という話になったが、
「派遣を依頼した人が『1日だけの単発です』と言ったのを聞いて、みんなやはり……と顔を合わせました。盗まれた状況を誰も見ていないので、派遣の人と決めるつける事も出来ず、泣き寝入りになってしまいました。若くておしゃれに気を使っている大学生の女の子だったので、より衝撃でした」
と女性は驚きを振り返った。確かに犯人だと決めつけることはできないが、もしそうだとすればかなり大胆な犯行ではないだろうか。