彼らはただでさえプライドが高い上に、
「前の会社では○○だったのに」
「この会社〇〇ってシステムも入れてないんですか?」
「この会社って本当にダメですね」
などと周囲の気持ちを逆なでする発言を繰り返した。ベテラン社員を小馬鹿にし、入社早々「周囲との軋轢がどんどん生まれていった」という。
おまけに、「アイデアを企画書にする」まではできるのに、それを具体的にタスク化するのが苦手。しかもその企画は「どれも不発で、実現までこぎつけないものや、なんとか実現しても売上収益化できなかったり」と散々な結果だった。
こうして、「思いつき」につきあわされることに疲弊して、長年その会社で頑張ってきた社員が次々と退職していった。社内には不満がたまっていったようだ。
「アンタさ、なんか調子乗ってるみたいだけど…」からの怒鳴り合い
そんなある日、男性はその人とオフィスで雑談中に上機嫌でこんな言葉をかけられた。
「いやぁ、この会社で自分に付いてこられるレベルの人は少ないねぇ。優秀じゃない奴は俺に付いて来られなくてみんな辞めて行ったね。君には期待してるよ!」
これに「堪忍袋の緒が切れてしまいました」という男性。かなり年上のその相手に
「アンタさ、なんか調子乗ってるみたいだけど会社のためになること1つでも成し遂げたの? 自分が仕事ができないのはナントカってツールやシステムが導入されてないせいとかそんな言い訳ばっかしてさ」
「それ優秀なのはアンタじゃなくてそのツールやシステムだったって自分から白状してるみたいなものじゃん」
などと、敬語も忘れて「かなりのケンカ口調のタメ口で」言ってしまった。驚いたのは相手だが、やがて「キミ!なんだその口の聞き方は!!やっぱりキミもこの会社の連中と同じか!!」と怒鳴り合いに発展。男性はそんなものは勝手な思い込みだと反撃し、ついに
「アンタのせいでウチ辞めた人の名前今から一人ひとり読み上げましょうか??」
と怒鳴り返した。すると、「後ろからドタバタと私に近寄って来る足音が聞こえた」という。
「あなたのせいでウチはもうメチャクチャです!」と同僚たち
男性はその瞬間をこう振り返る。
「今にも手が出そうな勢いだった私を見かねて私の部下や同僚が止めに来たのかと思いきや、今度は同僚たちが後ろから『そうですよ○○さん!あなたのせいでウチはもうメチャクチャです!』『もうあなたにはウンザリですよ、ドン引きですよ!!』とまさかの援護射撃」
驚くことに、周囲もここぞとばかりにその人に不満をぶつけたのだった。相手は「そんなに言うならキミたち勝手にやってなさい!」などと捨て台詞を吐き、オフィスから出て行ったあとは翌日から会社に来なくなったという。
男性は社長に怒られたものの、この件で社長も社内の不満に気づいていたようで「やっぱりウチに大手出身の中高年は合わなかったみたいだね」とフォローされ、一件落着となった。
その後について男性は、こう報告している。
「彼は『俺がいなくなったらこの会社は終わりだぞ』と仰っていましたが、彼がいなくなって丸一年が経過した昨年はおかげさまで過去最高売上高、過去最高益を更新しました」