当時、入社5年目だった男性は、時間の合間に「業務を自動化するためのプログラム」を自主的に作っていたという。しかし知識ゼロの状態から始めたため、「初心者向けのテキストですらところどころ意味が理解できない」という状態だった。
「ちょうどその頃、新卒で入社してまだ2か月目の新入社員だった後輩がプログラミングに詳しいらしい、ということを聞きました。なら教えてもらおうと、コレ幸いとテキストを片手に新入社員の元へ向かいました」
「はじめは『いやぁ、ボクそんなに詳しく無いですよ~』と遠慮していましたが、『大丈夫!私はゼロから始めて最初の方で詰まってるから!』とどうにか説得して教えてもらえることになりました」
勉強熱心な男性。しかしここで事件が起こる。男性が教えてもらっているところに、「おじさん社員」が乱入してきたのだ。
「『お、何か教わってんのか!』と新入社員にウザ絡みしてきます。すかさず私が『いや~、私が教わってるんですよ』と言ったところ、驚くべき言葉が返ってきました。『なんだ、情けないな!』」
「えっ…何が?先輩が後輩からものを教わるって、なんかおかしい?『君、何年目だ?教えてあげないといけない立場でしょ』。その場で口答えして喧嘩しても時間の無駄なうえ新入社員にも迷惑が掛かるので、何も言い返せず『はあ、なんかすみません…』とお茶を濁すしかありませんでした」
先輩のほうが知識が上のはず、というおじさんの思い込みもわかるが、会社の仕事を教わっていたわけではないので、この叱責は的外れだ。その場はおじさん社員に電話があり収束したというが、男性はこう振り返る。
「その後の新入社員と私との間に流れる空気は少し、いや、結構気まずいものになってしまいました」
「変化の激しい時代、若者だからこそ得ることのできた人生経験もたくさんある」
しかし結果的に、新入社員は先輩である男性に親切に分かりやすく教えてくれ、「最終的には私は作りたいものを作ることが出来た」という。さらに「そのツールのおかげで関連部署の社員たちの仕事の効率が上がり、残業時間が一人一月あたり平均にして20時間減った」という成果も得られた。
男性は「この件、私はもちろんですが、一番見下されているのは新入社員だと思います」と持論を語る。
「新入社員は何も出来ないし何のスキルもない、会社のことも社会のことも何も知らない、赤ん坊と同じだとでも思っているのでしょうか。(中略)しかし、いかに新入社員とはいえ大卒であれば22年の人生経験を持った大人です。コレだけ変化の激しい時代、若者だからこそ得ることのできた人生経験もたくさんあるでしょう。そこから得られるビジネスのヒントもあるかもしれません」
成長を阻害する要因を指摘した男性は、最後に
「いつまでも若者を見下していると、会社も社会も終わりますよ」
と釘を刺した。
失礼すぎる面接官を黙らせた男性「あなたはお客様にもこんな態度で接するのですか?」