男性が「アテもなく知り合いもいない仙台」で暮らしていた頃のことだという。日曜日にその知人と待ち合わせをして、トラックでその場所に着いた。そこは某宗教団体の施設だった。
「中に入ると若い人や家族連れが多かった気がします。広い会場にみんな入ってプロジェクターで知らないオジサンの講演?を聴いて、その後テーブルで個別面談なようなことをされました」
まず全体向けの講演を行い、次に個々の勧誘に入っていったようだ。そこで男性は
「『夢はあるの?』と聞かれた気がします。自分の夢を『わーっ』と話したら特に何も言われず終わりました」
と振り返る。孤独で夢もない若者に入信を勧めるつもりだったのかもしれないが、相手は男性の夢語りに諦めるしかなかったのだろう。男性は当時を振り返り
「夢を語れなかったら取り込まれていたのかな?と。その後は特にこの件に触れられることもなく何もありませんでした」
と述懐していた。後のしつこい勧誘はなく、仕事に支障が出ることもなかったようで何よりだ。