女性は、「親が戦時中勉強できず、学歴偏重の考えだったので、中学受験をさせられました」と入学の理由を明かす。当時は「田舎の小学校から、そんな学校を受験するなんて」という雰囲気だったようだ。
「同じ学年に他に中学受験する子は2~3人しかいない様な時代で、他の子は皆地元の中学にそのまま通うのが当たり前だったので、塾に追われ、友達もできず、いじめられ、ろくな小学校時代ではありませんでしたから、受験させる親を恨みました」
と実は気が進まなかった受験当時の心境を綴った。
再就職では「私の学歴は安心して紹介しやすいと言われました」
それでも女性は「何とか合格」した。入学後は、多少カルチャーショックに戸惑ったようだ。
「通い始めた都内の私立の雰囲気は、田舎の学校とはまるで違っていて、親の職業も立派な方達がたくさんいて驚いた事を覚えています」
その後は「大学まで出してもらいましたが、結婚後、出産を機に専業主婦になった」。学歴を生かした職業に長く勤務することはなかったわけだが、再就職では学歴が有利に働いた。
「後で少し働こうかなと思った時に友人にお願いすると、私の学歴は安心して紹介しやすいと言われました。自分ではわかりませんが、いわゆるお嬢様学校の出身ということで、接客等もきちんとしているし言葉遣い等の振る舞いが任せられて安心と、褒められる事もいまだにあります」
学力だけではなく、学習院で学んだことにより上品な立ち居振る舞いが身に付いたのだろう。女性は
「結局専業主婦になってしまったので、もう少し勉強して院を出てもよかったかなと思います。再就職で非常勤講師くらいができたらよかった」
と多少の後悔はあるようだ。しかし「学歴は必要」と回答した思いを
「学校で教わる事は、勉強だけではなかったんだなあと、通う学校を選んでくれた親に感謝しています」
と満足げに綴っていた。