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「正社員採用」に釣られて大後悔。転職先が想像を絶するハズレ職場だった話

画像はイメージ

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転職は一種のギャンブル。新天地で給与もアップし人生が好転するかどうかは神のみぞ知るところ。今回、関東在住の30代女性が寄せてくれたのは、転職ガチャに失敗したエピソード。それも単なる失敗じゃない。苦労して見つけて転職したはずなのに、そこは想像を越えたハズレの職場だったのだ。女性が語る転職先の実態は恐るべきものだった。詳しく話を聞いてみた。(取材・文:昼間 たかし)

求人情報はウソだらけ。ストーカーにも狙われて

女性が転職したのは関東にある食品工場の事務職。前職は派遣社員だったが、「正社員採用」ということで、転職を決めた。ところが、その中身は安定にはほど遠いものだった。

「前職に比べて、月の手取りは2~5万円ほどアップしました。しかし、労働時間も月30時間ほど増えました」

仮に残業代が30時間で5万円とすると、時給1660円ほど。時間外割増もあると考えると、そんなに「美味しい」という感じでもなさそうだ。

それはともかく、この会社のダメなところは「求人情報に多くのウソが書かれていた」ことだという。

「業績好調、NASDAQ上場、賞与年2回などと書かれていて、それに魅力を感じて入社したんです。でも入社してみれば業績が好調なのは親会社。しかも賞与は出ないとわかりました。求人情報と違っていることを採用担当者に問いただしたんですが『そんなこと載せたら誰も応募してこねえだろ』と逆ギレされました」

ちなみに求人情報が掲載されていたのは大手転職情報サイト。そんなところに堂々とウソを掲載して開き直れる会社の体質が恐ろしい。

そして、これも入社して初めてわかったことだが、職場オフィスがとにかく汚かったそうだ。古いだけなら仕方ないが、仮にも食品工場内のオフィスなのに「汚い」というのだから、いろいろな面でヤバい。

「建屋自体もそうですが備品も古く汚れていました。自分の席に用意されていたオフィスチェアは、背もたれの薄い灰色のところが茶色く変色しており、座ることすら躊躇するレベル。お手洗いも昔の学校のトイレのような感じで、汚く使う人が多かった。とても使えず、いつも休み時間に近所のドラッグストアのトイレを借りていました」

……もう一度いうが食品工場である。

さらなる問題は、オフィスが荒れ果てているだけではなく、社員のモラルも荒廃していること。

「採用基準が低いためか、その代償としてモラルハザードしています。派遣社員も多く、他社では受入不可であろう人物でも受入し、契約更新されますね」

モラルハザードというのはなにかというと、例えばしつこくつきまとってくる男性職員がいるそうだ。どんな被害にあったのか訊ねてみると……。

「一人は外国人労働者で、出勤時にこちらが車を降りるのを待っていたり。敷地内を歩いてるとフォークリフトのクラクションを鳴らしてアピールしてくるんです。おまけに『可愛い』『彼氏いる?』『パッション!』とか意味のないコミュニケーションを取ってきて……恐ろしいので最低限の挨拶だけで当たり障りなく対応していたら、出くわした時に『なんで話さない!!』と激昂されました」

異国のリゾート地や旅行先ならともかく、ここは職場。パッション!な場所ではないので、勘弁してもらいたい。

ただ、それに輪を掛けて酷かったのが、日本人の派遣社員だそうだ。

「出勤退勤時に待ち伏せするし、無意味に事務所に入ってきて話しかけてくるんです。さらにほかの従業員が買ってきたお菓子を自分のもののように私に『お菓子やるよ』と持って来たり」

他人のお土産をだしに恩を売ろうとする。しかも即バレ。どんな逆アピールだよ。

さて、あまりのヤバさに、見かねた総務課長が「○○さんに近づくな」と宣言したのだが、それでも効果がなかったそうだ。

「課長がいないタイミングで事務所に入ってきて、私に『彼女いるんで』と興奮気味にLINEの画面をみせつけてきたり……別の従業員に『俺はストーカーじゃないって伝えてくれ』と伝言を頼んだりしていました」

結局のところ、ヤバさは改善されなかったようで、ついに契約を打ち切り。しかし、その後も事務所に電話をかけてきたり手紙を送ってきたりといった迷惑行為は続いていたそうだ。ストーカーもいいところである。

さて、そんな劣悪な職場環境をいっそう憂鬱にさせたのが、一般事務の担当者(つまり女性)が顧客からのクレーム受付対応もさせられていたこと。

「頻度はまちまちですが、数日に1度は必ず。多いと1日に3件受けることもありました。『牛乳パックを開けていないのに漏れ出てきた』とか『プリンから雑巾みたいな臭いがする』とか……」

女性によれば、お茶出しは女性社員がやる、といった昭和体質も残っていたそうだ。まあ、こういう職場だから一事が万事、ということなのだろうか。

さて、こんな状況で作っている商品は大丈夫なのかと心配になるが、いちおう商品の品質管理はされていたため、自身も従業員割引で購入したりしていたそうだ。

「従業員割引がなければ買わないですけど。ちなみにヨーグルトだけは品質保証部という精鋭部隊が品質チェックをしているので安心して購入できると思いました」

この求人広告からはわからなかった「ヤバい」職場、女性は結局2年間は耐えたが、昨年退社したそうだ。次はきっちり長く安心して勤められる職場に当たりますように。

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