労働環境が合わないと、入社してもすぐに辞めたくなるだろう。埼玉県の30代後半の女性(その他/個人事業主/年収100万円未満)は、過去にコンビニの麺製造工場を3日で退職したことがある。女性が工場で体験したエピソードを、前編・後編に分けてお届けする。(文:コティマム)
女性は工場勤務の面接時を振り返り、「担当の方は感じ悪いこともなく、私の他に若い日本人女性3人もいました」と綴る。女性は20時から翌朝5時の夜勤時間帯で、「週5勤務で8時間労働、1時間休憩の契約」となった。面接官からも「勤務時間は5時まででお願いします」と言われたという。しかし……。
専用靴が用意されず挙げ句「貸してもらう立場で文句言うんじゃないよ!」と怒鳴られ
勤務初日に出勤した女性は、事務の担当者から説明を受けた。
「事務の方が、通りすがりの日本人の中年女性に『この方、今日が初勤務なの。悪いけど更衣室と現場まで一緒に行ってあげてくれない?』と言い、私も『宜しくお願いします』と笑顔で挨拶したのですが、物凄く嫌な顔をされ、なんだか嫌な予感がしました」
この嫌な予感は当たることになる。まず、工場に入るための専用の靴が用意されていなかった。靴の貸出しは募集要項にも書かれていおり、面接時に女性のサイズを「用意する」と言われたものの、実際は用意されていなかったのだ。仕方なく3サイズも大きいサイズをはくことに。歩きにくい上に「白い靴でしたが、真っ黒というかグレーに汚れていて、どの靴も悪臭がしていた」という。
「『面接でサイズを聞かれ用意されるとの話だったのですが』と、その案内してくれる女性に言うと、『貸してもらう立場で文句言うんじゃないよ!』と怒鳴られました。案内してくれた感じ悪い女性は違う持ち場に行きほっとしました」
「もっと早く!量が多い!汚い!」と怒鳴られる
そして実際に、麺を作る現場に入った女性。
「現場に行くと、『ここは日本?』と思うくらい外国人ばかりで驚きました。初日は日本人も数人いて、リーダーの社員(?)が指示してくれ、周りも感じ悪い人もいなく、昼休憩も4時間働いた後に取るように言われ、脚が疲れたこと以外問題ありませんでした」
初日の現場は普通に過ごせた女性。しかし「問題は2日目からです」と語る。
「周りには日本人が誰もいなく、日本語があまり通じませんでした。私は英語、スペイン語はそれなりに話せるのですが、ネパール人、中国人がほとんどで通じませんでした」
たくさんの外国人と一緒に働くことになった2日目は、「冷やし中華の具を流れてくる入れ物に入れる作業」だった。
「2人でやらないと間に合わないほどのスピードで、初めてやる私には無理でした」という女性。片言の日本語を早口で話すバイトリーダーか社員のようなフィリピン系の女性に「もっと早く!量が多い!汚い!なにやってんだ!」といちいち怒鳴られ、言い返すと「生意気だ!」と言われる始末だった。
「汚いし量が多かったり少なかったり、何なんだよ」日本人社員にも怒られ
女性は日本人社員がどこにいるのか探しながら作業を続けた。すると……。
「日本人の男性社員に、『きゅうりのやつは誰だ?汚いし量が多かったり少なかったり、何なんだよ』と言われたので、『申し訳ありません。昨日が初勤務で、(昨日の担当は)うどんでした。冷やし中華は初めてで、このスピードで正確にやるのは難しいです』と話すと舌打ちされ、2人配置の所に異動させられました」
探していた日本人社員からも悪態をつかれた女性。
「驚いたのは、その日の昼休憩は7時間働いた後だったことです。私はトイレが遠いので問題ありませんでしたが、トイレに行きたくなった人は、誰かが代わりにその持ち場に入ってくれないと行ける状況ではありません。お腹もすき、立ちっぱなしで脚も疲れてくるので、ひどいと思いました」
契約で5時終業となっている女性は、「5時に近づき、そろそろ終わり」と思っていたところ、社員から声をかけられた。
「社員に、『1時間残業してもらえませんか?人いなくてお願いします』と言われ、疲れていましたが承諾しました」と、2目目から残業して帰宅した。そして翌日の3日目、女性は「辞めよう」と決心する。【後編へ続く】
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【後編はこちら】コンビニの工場を3日で逃げるように辞めた女性 退職後「冷やし中華やうどんは買わなくなりました」
【即行退職シリーズ】