将来を約束した恋人が忽然と姿を消したら……。考えたくもないシチュエーションだが、キャリコネニュースに30代前半の女性から、
「ある日突然、付き合っていた彼から『実家にタイヤ交換に行く』と連絡が来て、そのまま彼とは音信不通になりました」
という衝撃の投稿を寄せられた。彼は一体なぜ消えたのか。編集部は女性に取材を申し込み、そのときの状況について詳しく聞いた。
デート代を払わないが「将来は楽させる」「将来を真剣に考えている」と言ってくれた彼
二人の出会いは2019年で、当時女性は27歳、男性は31歳と4つ年上だった。
「優しそうな落ち着いた人、というのが第一印象でした。出会いは街コンで、一緒に参加していた後輩の男の子にも慕われている様子でした」
そこで意気投合した二人は、居酒屋で初めてデートした。そのときの食事代は5000円ほどで、彼がご馳走してくれたそう。ところが彼が奢ってくれたのはこれっきりで、2回目以降のデート代は女性がほとんど出すようになる。
「彼は普段からお金の話題をよくする人でした。遠回しにお金を出すよう言ってくるので、私はお金に余裕があったわけではないですが、彼のことが好きだったので無理していました。私がお金を出すと彼はいつもお礼を言って、『将来は楽させるから』みたいなことを言っていました」
当時、女性は保育士として働いており、年収は320万円ほど。一方、年収は不明だったが彼の勤め先はそこそこ大きな車の部品会社で寮住まいだったそうで、デート代を払えないようには思えない。それでも女性が彼に言われるがまま負担していたのは、惚れた弱みだったのかもしれない。
「よく言葉を尽くしてくれるところが好きでした。結婚を具体的に考えてくれたり、私に『好きだ』とストレートに伝えてくれたり、連絡もとてもマメでした」
そんな彼と付き合って3か月ほど経った頃、一泊の温泉旅行へ出かけた。そのとき家まで迎えに来てくれた彼を同居していた母親に紹介した。
「彼は母にも『将来のことを真剣に考えている』と話してくれました。そうしたこともあり、私はてっきり交際は順調だと思っていました」
彼に貸していたゲーム機は「今でも返してもらいたい」
彼との未来を信じて疑わなかった女性が不幸のどん底に突き落とされたのは、その矢先のことだった。交際6か月を過ぎた頃、彼から突然「タイヤ交換しに実家に帰る」と連絡があったという。
「彼の実家は秋田県で、寮のある群馬から遠く、季節は冬だったこともあり心配した私は『気をつけて』と連絡しましたが、何の返信もありませんでした。事故にあったのかと思い、何度も電話しましたが、音信不通で……。心配になり彼の寮にも何度も行きましたが、結局、彼に会うことはできませんでした」
彼に一体、何があったのだろうか。女性は「あとになってから彼と同じ会社の人に聞いたのですが……」と前置きし、事の顛末を語った。
「ちょうどコロナが流行り出した頃で、経営が悪化した地元の工場では、派遣労働者切りが起こりました。当時の私は知りませんでしたが、実は彼も派遣社員で、派遣切りに遭った一人でした。社員寮に住んでいた彼は仕事と家を同時に失ったそうです」
結婚どころではなくなった彼は、女性に合わせる顔がなくて逃亡したのだろうか。プライドゆえに自身が派遣社員であることを最後まで隠し通したかったのかもしれない。いずれにしても、女性は結婚を考えるほど愛した彼の口から、真実を聞きたかったに違いない。
LINEの返事はしないで、アイコンを自撮り写真に変えていた!
彼が派遣社員であることを知らなかったという女性だが、「今思えばおかしいことがありました」と振り返る。
「クリスマスプレゼントは5000円くらいの明らかに安物でした。私からのプレゼントについては『欲しい靴があるから自分で注文する』と、3万円渡すよう言ってきたりしました」
普段からお金に困っていて、女性にもらった3万円を生活費に充てていたのかもしれない。同情を禁じ得ないが……。
「彼はLINEの返信はしないのに、LINEのアイコンを自撮り写真に変えていました。心機一転頑張るぞ!みたいな感じでした。ここまできてようやく、私は彼に捨てられたことを実感しました」
アイコンの中の彼が憎らしいほど清々しく見えたことだろう。しかし女性は
「彼と別れて一年ほどして夫と出会い、結婚しました。今は幸せに暮らしているので、結果、彼とお別れしてよかったと思います」
と、まったく未練のない様子で語っていた。
ただ、一つだけ心に引っかかっていることがあるという。それは彼にSwitchやゲーム類の高額なものを借りパクされたことで、「今でも返してもらいたい」と話していた。
※キャリコネニュースでは「恋人に裏切られたことがある人」をテーマにアンケートを実施しています。回答はこちらから https://questant.jp/q/ENDBH7Q6