「入院・手術・意識不明以外は仕事するのが会社のルール、カルチャー」根性論を押し付ける上司に疲弊した男性 | キャリコネニュース
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「入院・手術・意識不明以外は仕事するのが会社のルール、カルチャー」根性論を押し付ける上司に疲弊した男性

画像はイメージ

世の中には、体調を崩して休んでいる部下を無理やり働かせようとしてくる、血も涙もない上司がいるらしい。東京都の20代後半の男性(年収350万円)は、高熱で会社を休んでいるにもかかわらず上司から作業依頼のメールが送られてきたため、「朦朧としながら対応しました」と振り返る。上司の言い分はこうだ。

「8時間は働けとは言わないが、入院・手術・意識不明以外は、できるだけ仕事をするのが会社としてのルールであり、カルチャーだ」

そんな会社のルールやカルチャーは聞いたことがないが。また男性は、

「休み中に、宛先は上司でCCが自分宛のメールが取引先から来ていましたが、上司は返信していませんでした。翌日に気づき、『メールが来ているから返信したほうがいいのでは?』と言うと、上司は『あなたが返信してください』と言いました」

と明かす。なぜ上司宛のメールを、高熱で休んでいる男性が返さなければならないのか。男性は「上司本人でなければ答えられない内容だったのに」と困惑する。

結局、クライアントから「返信が遅い」とクレームが入り、上司は「あなたが休んだから」と男性のせいにしてきたという。こうした上司の言動によるストレスが原因で、男性は体調を崩し、長期の休養を余儀なくされたそうだ。男性はその後どうしているのか、編集部は追跡取材を行った。(文:福岡ちはや)

「ただ指示通りに黙って動けばいいんだ」有無を言わせない上司

話を聞くと、男性はすでに会社を退職していることがわかった。

「投稿に書いた会社は、都内にある設立20年ほどのPR会社です。私はPRコンサルタントとして、2022年3月から9月までクライアントの戦略立案からメディアリレーションまでを担当していました」

問題の上司については次のように語る。

「上司は50代半ばくらいの男性です。メールの返信はとても遅く、会議でもコミュニケーションの取れない方でした。私が高熱で休んでいたときに、なぜクライアントに自分でメールを返さないのか聞いても、上司は『中小企業だから。ただ指示通りに黙って動けばいいんだ』と言うばかり。あのときは、クライアントのことは関係ないのか?と怒りを覚えました。この件は管理職会議でも議題になりましたが、最後まで上司からの謝罪はありませんでした」

上司が非を認めないので、結局は男性がクライアントに直接謝罪し、クレームを解決したそうだ。まさか上司の尻ぬぐいを部下である自分がする羽目になるとは、男性は夢にも思わなかっただろう。

会社側は「ストレスの原因は上司ではない」の一点張り

男性いわく、理不尽なのは上司だけではなかったという。上司のストレスで体調不良になり、診断書を人事に提出し、きちんと了承を得たうえで休養を取っていたが、あとから人事と取締役が「別の診断書を提出しろ」と要求してきたそうだ。

「私は体調不良前から耳に違和感があり、通院していました。人事はそれを知っていたので、『体調不良の原因は耳にあるから、その診断書を書いてもらえ』と言われました。でも、私は上司以外に体調不良の原因に心当たりがありません。医者も『上司がストレスの原因の可能性が高い』と言っていましたし、耳は体調不良とは無関係という診断も下りていました。その旨を人事と取締役に伝えても、『耳がストレスの原因なんだろう』の一点張りで、私の言葉は聞いてくれず。一向に傷病手当の申請をしてくれませんでした」

男性は「人事は50代の女性で、人によって仕事の対応が変わる方。取締役も50代女性で、同年代の女性クライアントには信頼されていますが、部下の好き嫌いが激しく態度に出す方でした。上司、人事、取締役、3人とも人の話を聞かないところが共通点です」と呆れ返った。

こうした事情から、男性は「回復してもこの会社では働けない」と感じ、耳の診断書の代わりに退職届を叩きつけたそうだ。その1か月後、会社から傷病手当の申請用紙が届いたときは、さすがの男性も「やっぱり診断書いらんやんか!」とツッコミを入れずにはいられなかったという。

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