「それ以外でも会社にとって耳障りな要求をする組合委員長の私は、会社からすれば邪魔な存在だったであろう」
労働者側の先頭に立つ男性は、隙を見せればすぐに足元をすくわれる状態だったと思われる。そこに、ある問題が起きた。
「ある日私の部署で不具合を起こしクレームを発生させた。機械の初期操作を私が行い、それ以外の生産~梱包までは非正規の女性従業員で行われたのだか、何故か私ひとりその責任を押し付けられ、役職を解任された」
いきなりの不当人事に納得いかない様子だ。しかし会社から難癖をつけられることはなおも続いた。
「また、クレーム後の対応が悪いとの理由で、資本提携のない別会社へ異動になった」
この人事は、「他部署への異動すら事例がないのに、他社への異動など異例中の異例」という、誰がどう見ても理不尽な追い出しだったようだ。
「上司から『世渡りが下手だ』と告げられた」
しかし、「誰も助けてくれなかった」と男性は振り返る。
「社内の組合員たちは口を揃えて『あなたが悪い、一刻も早く謝罪しろ。』と。組合上部団体へも相談したが、労働裁判を起こすべきとのことだった」
男性に味方はおらず、1人で戦うべきか迷う所だっただろう。しかし「裁判の費用」や「判決後の去就」の心配、さらには自身が子育て中だったこともあり、「泣く泣く異動を受け入れた」という。つまり泣き寝入りだ。
異動を受け入れる直前の男性に、上司は追い打ちをかけるようにこう言った。
「上司から『世渡りが下手だ』と告げられた。要はそれが左遷の原因だったようだ」
原因が組合活動だけだったか実際のところは分からないが、皆のために良かれと思って戦った結果がこれでは悲しすぎる。労働条件も悪化し
「異動先では肉体労働を強いられ、年収は100万円近くダウンした」
と悲しげに綴った。
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