女性は当時、こんな言葉で誘われたという。
「聖書の教えをわかりやすく解説する会があるんだけど、会に入らなくてもいいし、教会にいくと悩みも聞いてもらえるし、すっとするんだよ」
そこで不審に思わず承諾したものの、後にその判断を激しく後悔することになる。迎えた当日、女性が連れて行かれたのは「公民館のような所」だった。
「確かに聖書の勉強会……は最初だけ。ナントカ伝なんとか章を1人が朗読して、主の教えスバラシーとなった後は、私をターゲットにフルボッコで勧誘をしてきたのです」
勧誘の内容は、以下の通りだった。
「お布施をすればするほど現世の罪を拭えるとか、入信しないと地獄行きだとか、この特別な聖書を購入すれば主の教えがすらすら頭に入るとか」
その特別な聖書の値段は、なんと「2万円」。学生に売るなど信じられない価格だ。「しまった」と感じた女性だが、「帰る」と言っても、出入口を人が塞いで帰してくれなかった。
途方に暮れた女性は「トイレに行く」と言うも、考えていることはお見通しだったようだ。
「傍に置いてあったカバンをすっ、と抱えられ『荷物は置いていっていいですよ』と言われました。人質ならぬかばん質です」
入信しないうちは帰さないという雰囲気で、完全に軟禁状態だ。【後編へ続く】
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