とあるアパートの下でトラックは止まった。すると、みんなダッシュで降りてくので、とりあえず付いていったが、社長に、
「お前は下で受け取って荷台に放り込めばいいからな? 落とすなよ?」
と指示された男性。次の瞬間、2階の部屋の窓が全開になり、目出し帽の人がベランダに出てきた。そして「どんどんいくよー」の掛け声で……
「2階のベランダから衣類や家具がボンボン飛んできました。それを下で私含め4名で受け取り、荷台にガンガンぶち込みました。そこで分かりました。これ夜逃げ屋だって」
当時はまだ主流だったブラウン管テレビや小ぶりのタンスなども運び出した。図らずも、夜逃げの片棒を担がされてしまったわけだが、20年も前のこととあって、「今考えればよくキャッチして積み込みできたなー」と感慨深げな様子の男性。しかも、開始から15分ほどで作業が終わったというから驚く。
「闇金の奴らが張り込んでたら、お前ら襲われてたけど今日は助かったね!!」
「2階にいた方々がダッシュで戻ってきて『すぐにトラックに乗れ! 急げ!』って。言われた通りトラックの幌に乗り込んだとこでトラック急発進。しばらく走ったところでトラック停車。社長に呼ばれて降りると『お疲れ様! これ5万取っとけ!』って現金5万円もらいました」
約束通りの報酬を受け取ったものの、確認せずにはいられなかったようだ。社長に「さっきのは夜逃げですか?」と聞いた。すると社長はあっけらかんと、こう言った。
「うん! そだよ! 闇金の色んなところから借りまくってるやつを飛ばすんだよ! いやー、闇金の奴らが張り込んでたら、お前ら襲われてたけど今日は助かったね!! またお願いしていい?」
当然の如く「もう大丈夫です!」と断り、5万円を財布に入れて帰ったという男性は、「夜逃げ屋なんて。あんなバイト、報酬倍でも多分もうやらないです」と結んだ。たとえ10万円だったとしても、こんなリスクの大きい仕事はやりたくないだろう。
※キャリコネニュースでは「知らずにやばい仕事に応募してしまった人」をテーマに投稿を募集中です。回答はこちらから https://questant.jp/q/I86FULY7
【前編はこちら】「1時間で5万払う」深夜1時、トラックに乗せられ、目出し帽着用 やばいバイト体験を語る男性