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エンジニア男性、「役に立たないセンサー」と上司に言われて激怒 「私は機械ではなく人間です」

画像はイメージ

上司が不在でトラブルの報告が遅れるのはよくある事だが、きちんと対処したにも関わらず「役立たず」と言われたら納得いかないだろう。ITエンジニアの50代の男性は、「証券会社のシステムを開発保守している者です」と、当時の状況を語った。

「システムの負荷が高くなるとアラームが上がる仕組みがあり、ある日朝9時にアラームが上がりました。その日は新規上場やストップ安、ストップ高の銘柄があったわけでもなかったので状況がわかりませんでした」

急激な株価の変動や話題の取引もない中で、システムに大きな負荷がかかった異常事態だった。男性はまず上司に報告しようとしたというが……。(文:篠原みつき)

「役に立たないセンサーがあったらどうする?交換するよね」

報告を必要とする上司は2人だったが、1人には連絡がつかなかった。

「アラームが上がるなんて異常なことなのでまずは課長に報告、次に部長に報告しようとしましたが離席していたので携帯に電話もしましたが繋がらず」

仕方なく対処に移った男性。「証券会社にも電話をして状況説明し、何かいつもと違う特別なオペレーションをしていないか尋ねた」という。先方の担当者が色々調べたところ、「全国の支店で債券の注文を市場が開く朝9時に一斉に入力したらしい」と分かった。全国の支店数がどのくらいあったかは不明だが、相当数が一気に入力したことで負荷が高くなった、想定外の出来事だった。

「その日は打つ手がなくそのままやり過ごしたのですが、翌日も同じ事象が発生する恐れがあったので、夕方部長が戻られたタイミングで起こった事象の報告と明日の対策(一斉入力を控えてもらう、時間をずらしてもらう等)の相談を報告した」

男性としてみれば当然の相談と報告だった。ところが、これが部長の逆鱗に触れたようだ。「ひどく叱責され」、こう言われたという。

「役に立たないセンサー」

この冷たい言葉に、

「私は機械ではなく人間ですし、何も報告せずに黙って傍観していたわけでもありません」

と静かな怒りをにじませる。恐らく抗弁はしたのだろうが、結局「私は次の定期異動で他部署に異動させられました」と不本意な結果となった。さらに自分の傷口をえぐるように、こんな回想も付け加えている。

「その時にふと思ったんです。部長がこうも言ってたなと。『もし〇〇(私の名前)が役に立たないセンサーがあったらどうする? 交換するよね。だって役に立たないんだから』」

すでに異動をほのめかされていたわけだが、役に立たないのは部下が報告したいとき、速やかに連絡を取れない上司のほうではないだろうか。

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