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バブル崩壊後の1990年代〜2000年代は「就職氷河期」と呼ばれるように、特に文系学生は有名大学でも就職には苦労を強いられたようだ。「1997年大卒」という大阪府の50歳女性(営業・年収300万円)は、
「バブル世代を取りすぎて募集枠が少ないところに団塊ジュニア世代が押し寄せ倍率が高くなる」
「123社エントリーして最終面接は2社のみ」
と振り返った。だが厳しかったのは就活だけではなかったようだ。(文:天音琴葉)
「誰もが知る企業だったが、2年もたたずに胃を悪くして退職」
そもそも女性は大学受験から“受難”続きだった。大学入試に失敗し、「偏差値が10以上も低い大学へ入学。そのため就活も散々で」と振り返る。当時は受験生が多かったという理由もあるだろう。
なんとか就職先を見つけたものの、入社後は、
「とにかくセクハラは日常茶飯事。新人に仕事を教えない、謝罪だけ行かせる」
と新人イビリやハラスメントが横行していた。そんな会社だからなのか、業績不振で、「課長以上はボーナスをもらえなかった」という。
「腹いせか『新人のくせにボーナスもらいやがって』など暴言も多かった。誰もが知る企業だったが、2年もたたずに胃を悪くして退職」
その後は、「当時流行りだった」という派遣社員になったという女性。2000年から紹介予定派遣が解禁されたこともあり、正規雇用が減少した一方、その分、非正規雇用が増加した。
「当時は正社員より給料をもらえたが、将来に対する不安などもあった。私たちはとにかくバブル世代のとばっちりを受けてると思う。ほんの数年上の世代の方から聞く『就活』のきらびやかなこと。とにかく『楽』してると思う」
経理担当者から「バブルの給料が高い。下げれないから、その下の社員たちが上がらないのよ」と聞かされたこともあるそう。だがバブル世代の給料が高いというより、業績の低迷が原因だろう。
出産でキャリア終了、「月末に数百円しかない」生活に
「派遣社員がもてはやされたので、ついそちらに流れた」という女性だが、出産時に後悔したようだ。
「まだ派遣の産休なんてものはなく、そこでキャリアは終了」
育児のため仕事を辞めた背景には、当時、育児は「ママの仕事」と考える男性、親世代が多かったとし、女性の夫もその一人だったこともある。
「そもそも3歳までは家で育てろ! とか言われ、月末に数百円しかない生活をしながらも、夫に文句も言えなかった。家庭にもよるでしょうが……」
専業主婦になった女性は、育児がひと段落した頃にパートを探したが、
「出産前のキャリアはキャリアとして扱われず、安い仕事しかなかった」
と悔しそうにこぼした。夫が育児に協力してくれず、「仕事に出ると体力と精神力の限界に挑戦するような感じだった」とも。
「産休育休が当たり前の30代にはその切羽詰まった状況は理解されず、再就職ができないのは本人のせいなのではないか? と思われることも多々ある。とにかく、この苦しさを共有できるのは同世代だけだと思う」
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