いくら健康に良くても、素人が煎じた出所不明の液体を飲むのは怖い。女性は当時の心境をこう振り返る。
「ただでさえ吐きそうな味のところへ、街路樹や近所の公園などは、排気ガスや土壌の汚染も心配です。本当に嫌でした」
味だけでなく、衛生面への不安も恐怖に拍車をかけたようだ。しかし相手は上司。真っ向から拒否するわけにもいかない職場で、女性社員たちはある高等テクニックを編み出した。
「女性社員は、『わーい氷とシロップ入れて飲んでみよーっと!』と言いながらカップを給湯室に持って行き、密かに捨てて、最後の一口を飲み切るフリをしながら戻る、という技を発動しました」
テンション高めの演技でかわし、即行で全捨てする。この偽装作戦で救われた者がいる一方で、逃げられなかった人もいた。
「デスクから動けない男性社員はお気の毒ですが、横で見ていて面白かったです。なお、日頃から給湯室に出入りしてお弁当箱を洗う習慣のあった新人男性だけは、ちゃっかり女子と一緒に抜け出して命拾いした模様」
そんなトラブルも、意外な人物の登場であっけなく幕を閉じた。
「その後部長は、視察に来た営業出身役員さんにも勧めた結果、叱られて大人しくなったようです」
部下のサイレント拒絶には気づかなくても、会社の偉い人に一喝されれば即座にやめるあたり、実に分かりやすい上司だったと言えそうだ。
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