ナルシスト採用の内定者第一号は「男の娘」 社長は「自己プロデュース力」を評価 | キャリコネニュース
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ナルシスト採用の内定者第一号は「男の娘」 社長は「自己プロデュース力」を評価

自己愛の強い若者を対象にした就職サービス「ナルシスト採用」で、早くも第一号の内定者が出た。女装コスプレイヤーとして活動している高等専門学校生で、ネット上で大きな反響を呼んでいる。

ナルシスト採用は、既存の就職活動への違和感を押し殺さずに、自分の価値観で社会や物事を考える若者を集め、企業との接点の場を設けるサービス。7月からスタートし、10月7日に参加者と企業の初めての顔合わせが行われた。

「ついでに内定ください」→「いいよ」

個性的な面々が揃ったナルシスト採用。

個性的な面々が揃ったナルシスト採用。

ナルシスト採用ということもあり、個性的な参加者が揃っていたが、特に目立っていたのが、件の学生だ。長髪姿で、中性的な雰囲気を漂わせている。

記者が会場で取材すると、「趣味は女装コスプレ」と明かし、東方Projectのキャラクター「姫海棠はたて」の衣装を来たコスプレ写真を周囲に熱心に見せていた。記者も見せてもらったが、かなりクオリティの高い「男の娘」だ。

学生がこの日ツイッターに投稿した内容によると、コスプレ写真を企業の社員に見せたところ、「あっ、はたてちゃんじゃん!かわいいね、今度お燐ちゃん(東方Projectのキャラ)やってよ」と、いきなり好反応をもらったという。

「あ、いいですよー。ついでに内定ください」と頼んでみたところ、社員がその場にいた社長に「いいですよね」と確認。社長が「いいよ」と許可したため、その場で内定となったという。この投稿は10月9日までに5000件以上リツイートされた。

学生に内定を出したITベンチャー企業、ソノリテ(東京・神田)の齋藤和政社長は、キャリコネニュースの取材に対し、「私自身は実はそのときトイレに行ってたんです」と話す。トイレから戻ってくると、社員が学生と意気投合していた。

名前も知らないけど「ビビっと来たから大丈夫」

しかし齋藤社長は、その場のノリと勢いで内定を出したわけではなく、学生の趣味に打ち込む姿勢を評価したという。

「趣味を持っている人はたくさんいますが、彼はただ好きなことをやっているだけではない。しっかり自己プロデュースをして、完成度の高いコスプレをしている。話も面白いし、タレント性もある。積極的で物怖じしないところもいいですね」

一応、現時点で「内定」ということになっているが、条件などは全く話し合っておらず、これから詰めていくという。

「正直いうと、まだ彼の名前もわからない。当然、彼に会社で何をやってもらうかも決まっていません。もしかしたら、弊社のビジネスモデルじゃ彼を生かせない可能性もある。でも、ビビっと来たので大丈夫だと思っています」

また、学生は就活の際に長髪を切ることに抵抗を示していたが、齋藤社長は、

「あのままがいいんです。むしろ、あのままじゃダメだとすると日本はおかしくなる。そう思いませんか?」

と、個性を全面的に受け入れる。同社は2年前にも、キャリア解放区が企画した「アウトロー採用」の前身となる「デコボコラボ」でも9人を採用。みな社内で高いパフォーマンスを発揮しているという。齋藤社長は、今回の採用も自信があるようだ。

「世の中に対する違和感こそがクリエイティブの原点。リクルートスーツで就活するようなタイプではなく、なんでも面倒くさく考えるタイプの方が面白い」

個性を認めてもらえれば入社後も頑張ることができる

学生はその後、ミクシィに「自分のこと認めてくれるひとがいるなら、そこで働きたいと思うじゃん」と投稿。自分の個性が認められる会社に出会い、前向きな気持になったようだ。

キャリア解放区の納富順一代表も、今回の「スピード内定」について、「まさかあんなに早く決まるとは」と驚く。ただ、ナルシスト採用としては「わかりやすいケース」と語る。

「元々ナルシスト採用は、自分の価値観を大事にする、とがった参加者と、とがった人材を求めるマニアックな企業が出会うことを意図しています。両者のニーズがうまくはまれば、成功です。特に今回は、参加者の個性をそのまま受け入れてくれて良かった。参加者も自分が受け入れられていると思えば、会社に入ってもより頑張ることができます。引き続き、ナルシスト採用から内定者が出てくれればいいなと思っています」

あわせて読みたい:ナルシスト採用、実は高学歴が多い

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