高橋さんは入社して以来、バックオフィス的な部署で働いていた。しかしある時、調達部署へ半ば強引に異動させられることになった。
「ある日突然の異動通告でした。数か月後に知ったんですが、あの部署が私を引き抜いた理由は『面倒な業務を都合よく押し付けるため』だったんです。本当に愕然としましたね」
配属先のパワハラ課長は50代の男性で、他工場から不本意な形で異動させられていた。自身も左遷のような扱いに不満を抱えていたのか、何かと周囲に難癖をつける厄介な人物だったという。
「他の工場でも鬱陶しがられていたみたいですね。少しでも気に入らないことがあると、毎朝の朝礼でターゲットを吊るし上げるようなパワハラ気質な人でした。指示が二転三転するから誰も手を出さなくて、仕方なく私がやると何故か怒られるんです。本当に理不尽でした」
他部門が急に予定を変更したことで、必要な部品が不足したこともあった。高橋さんによると、原因は他部門側にあったが、課長は「発注サイクルがおかしい」などと、なぜか自分の部下を真っ先に責めたという。
「あるときは、工場内での設備の不具合について、文句の多い課長を飛ばして部長に相談したら、翌日の朝礼で私が課長からめちゃくちゃに詰められて、他のメンバーも全員巻き添えを食らったこともありました」
とにかく部下からの信頼はゼロ、それどころかマイナスな人物だったようだ。
指示通りに動いて「弾劾裁判」…夏のボーナス支給翌日の退職届
退職の決定打となる事件は、ある製品の品質不良が連続発生した時に起きた。問題のあるロットを特定できるよう、在庫を古いものから順番に出す作業が必要になった。そこで、高橋さんは連絡帳に書かれた課長とグループリーダーからの指示通りに作業を行った。
ところが、他の作業者から「何故そんな事をしなければいけないんだ」と苦情が入ったことで、課長の態度は豹変する。自分が指示を出したにもかかわらず、高橋さんが勝手に余計な作業を増やしたと責任をなすりつけてきたのだ。
「翌日の朝礼は、まるで私に対する弾劾裁判でした。『なんでお前は勝手に余計な作業を増やしたんだ!』と徹底的に追及されて……。その瞬間、今まで我慢していた何かがプツンと切れたんです。ちょうど夏のボーナスが支給された翌日だったので、すぐに退職届を出してやりました」
退職を知った課長の反応は、どうだったのだろうか。
「退職を伝えると、鳩が豆鉄砲を食らったような顔でした。何かブツブツ言っていましたが、私が『年休消化に入ります』と伝えると、『誰が代わりをやるんだ』ってキレてきて。だから『自分で考えろ』と言い返して、そのまま年休に入りました」
高橋さんは、「都合良く使われた最悪の部署だったので、辞めて本当にせいせいしました」とすっきりした様子だ。
同僚を休職に追い込んだ課長、部署の目標も未達で評価低下
退職後、いまも付き合いのある同僚や元上司とランチをした際、高橋さんは職場の後日談を耳にした。
「課長は、私が急に退職したことを総務からかなり責められたそうです。その後、現場では業務中に事故が発生したり、同僚をパワハラで休職に追い込んだりと、その年は散々な結果に終わったそうです」
高橋さんはそれを、人が辞めた原因も省みない、課長の自業自得だと話す。
「結局、部署の目標も達成出来ずに、課長の評価も部署全体の評価もかなり下げられたらしいと聞きました。それを聞いた時は、ある意味『ザマアミロ』と思いましたね。私自身にとっても不満だらけの最悪な2年間でした」
最悪だった2年間に区切りを付けた高橋さんは、現在、スタートアップ企業に勤務している。年収は700万円になり、充実した日々を送っているという。
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中国工場で目撃した傲慢すぎる日本人副部長 左遷で飛ばされて来たのに現地の部下にパワハラ三昧


