【悪質】タイムカードを手書きで偽造し「なんとかなるでしょうか」 残業代請求で労基署に呼び出された経営者の相談が話題
シェアされた質問は、2011年10月に洋菓子店の経営者がヤフー知恵袋に寄せたものだ。元社員から残業代を請求されて困っているという。
経営者は元社員に対して、月に420~480時間の労働をさせていたが、残業代を支払ってこなかった。これを不服に思った元社員10人が、タイムカードのコピーを証拠に残業代の支払いを内容証明で経営者に請求。
経営者は無視していたが、労働基準監督署から呼び出された。元社員らについて、「会社基準」で管理職だったので残業代を支払う必要はない、と説明したが、労基署には「労働法の管理職に準じていないので、請求者全員、管理職に該当しないので支払い義務がある」と言われたという。
支払える金額ではなく困り果てた経営者は、裁判に備えてタイムカードを自分の手書きで書き換え、「これでなんとかなるでしょうか?」と相談する。
実際、従業員にはかなり長時間労働をさせていたようだが、「新しく採用してもすぐに辞めるので慢性的に人不足であり仕方ないと思います」と開き直り気味だ。
販売職では13~14時間勤務、製造では朝5時から23時くらいまでを勤務時間としたいといい、「それ以上の時だけ残業なら理解出来るのだが・・・」と不満げな様子。そもそも労働基準法や36協定も知らないようだ。
「従業員は奴隷ではありません!」と非難殺到
回答欄には怒りの書き込みであふれている。ベストアンサーには、
「怒りが治まらないのは既にやめた社員だよ。労働基準法違反もたいがいにしとけ。お前がしてんのはただの名ばかり管理職じゃねぇか。(中略)仮に残業代を支払っていても、月400時間以上働かせれば誰だってすぐやめるわ。悪いことは言わんから、請求された残業代を全額、支払って今すぐ、お店をたため」
と厳しめの回答が選ばれている。
ほかにも、「あなたは払うべき残業代を払わず労基法違反、悪質ならば民法の不法行為。タイムカードの手書き修正は私文書偽造など数々の触法・違法行為を犯しています」「従業員は奴隷ではありません!」など、残業代の未払いだけでなく、タイムカードの偽造までする悪質さに批判が相次いだ。
経営者は、元社員が管理職のため残業代の支払いは無用と主張しているが、労働基準法では管理職を「事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者」と定めており、店長や係長など、役職をつければ残業代を支払わなくていいというわけではない。
一方で、あまりにもひど過ぎる相談内容に、一部では「釣りだ」とし、「そんな経営者はおらんし、もしも本当にいたとしても、こんなところにダラダラと文章を書いているような暇人はおらん」という冷静な意見もあった。相談内容の真偽はさておき、このような悪質な経営者は罰せられてしかるべきだろう。
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