「月に100時間残業のシフトを組まれる」「23時半帰宅に罪悪感」 労働相談センターに寄せられた悲惨な声
長時間労働やサービス残業が働く人を疲弊させている。NPO法人労働相談センターでは、サイト内に「サービス残業怒りの声」という専用ページを設け、劣悪な労働環境に悩む働く人からの声を掲載している。ここ数か月に寄せられた相談をいくつか紹介する。
勤務時間は8時30分からなのに7時出社を強要する上司
都内でアニメ関連の会社に勤務する女性は、週休1日で祝日休みはなし。給料は15万円であるにもかかわらず、一日の労働時間が11時間で時給にすると545円であると訴えている。東京都の最低賃金932円を下回っており、明らかに違法だ。しかも今年からは出社を2時間早くしろと言われているという。ひどい話である。
北海道のコンビニで正社員として働いている男性からは、月に100時間以上の残業になるシフトを組まれ、16日連続出勤は当たり前だといい、
「25時まで出勤して朝5時から普通に10時間勤務をさせたり、夜勤手当は一切つかず、どの時間帯で勤務しても給料は同一と酷い労働環境です」
と現実を訴える。これでは心身のバランスを崩してしまう。
同じく北海道でサービス業に従事する男性は、出勤時間は8時30分であるにもかかわらず、7時出社を強要されている。それでも上司からは「もっと早く来い」と言われるほか、休憩も取れないこともある。男性は
「始業前から1時間以上早く来てるのに、これが当たり前になっている事が腹立つ」
と憤っている。
会社で倒れて退職、上司から「社会人として恥ずかしくないのか」と嫌味
人手不足による過重労働が問題になっている介護職に従事する人からの相談も目立つ。埼玉県で介護職をする女性は、人手不足のため定時より30分以上早く出勤して仕事をしているが、職場からは早く来る場合にはタイムカードを押さないよう言われたという。退職時に早出残業分を請求したが、「業務命令ではないから支払わない」と言われたことに不満を抱く。
「確かに命令はないけど……。早出しなければ仕事が回らない事は十分わかっているはずです!」
ほかにも介護施設で勤務する娘を持つ親からは、激務を心配して「このままだと命が危ない」という切実な声も寄せられている。
大阪府でアパレル業に従事していた女性は、夕飯を食べる余裕もないほど忙しく、終電の23時30分に退社することに罪悪感を抱く空気だったと振り返る。睡眠時間は4時間を切る生活で体を壊し、会社で倒れて退職。会社は退職や傷病手当に関する書類を出さなかっただけでなく、「社会人として恥ずかしくないのか」といった嫌がらせ電話をしてきたという。
寄せられた相談は、厚生労働省大臣あてにサービス残業反対の署名とコメントを提出される。サービス残業がなくなり、働く環境が1日も早く改善してほしい。