「20分かかるものを10分でやれ」と言う上司は無能か? 「現状把握しないで工数減らすだけなら有害」
仕事をしていると、上司から「もっと早くやれ」と言われることがある。上司がやり方を教える、リソースを提供するなど協力的であればいいが、単に「時間短縮しろ」と言われるだけでは部下としては困惑する。
2月15日、はてな匿名ダイアリーに「『20分でできます』『10分でやれ』」というタイトルの投稿が寄せられた。投稿者は、有能そうな上司と部下の間でタイトルのような会話が交わされるというアニメのシーンを引き合いに出し、「実質、無能だよな」と切り捨てる。その理由を、
「10分でやれる道筋を示すか代替案が必要だし、こんなのが状態化(編注:常態化)したら、あらかじめ水増しした工数を報告されるに決まっている」
と書いた。
「削れる時間はすべて削れ、責任はすべて上司持ち」という意味だ
「天空の城ラピュタ」では、主人公のパズーが空中海賊の女頭領・ドーラから「40秒で支度しな」と言われる描写もある。実際に職場でこんな無茶ぶりをされれば、部下としてはたまったものではない。
はてなブックマークでも、「こういうのってだいたいテスト期間が削られるよね」「『お前も手伝え』って感じだよな」など、反感を抱く人たちからのコメントが寄せられている。
また、これまで20分かかっていた仕事を10分でやるとなれば、質を維持できない可能性もある。
「時間を優先するなら、質かコストを犠牲にするだけ。みんな言わないだけで絶対にそうしてるはず」
もし、質はそのままで所要時間だけを半減しろという命令であれば、その上司は現状を把握していないことも考えられる。それこそ「無能を通り越して有害」だろう。
別の見方としては、「削れる時間はすべて削れ、責任はすべて上司持ち」など、命令された側の裁量によって、10分で完了できる程度に工程を減らするなどの対応をしてもいい、というものもあった。
「『(万全の状態にするには)20分でできます』『10分でやれ(10分で出来ない部分は省略していい。おまえの判断を全面的に信用する)』『(以上の意を完全に汲んだ上で)了解』」
しかし、「現実だとただの無茶の押しつけなんだよね。何かあったら自己責任」というケースも多く、やはり困ってしまう。
「上司がやったら8分でできる内容なら教育の一環としてあり」という声も
一方で、場合によってはこの命令はアリと考える人もいる。
「上司がやったら8分でできる内容ってわかりきってるようなものなら、教育の一環としてはありかも」
「考え方を変えれば10分で出来る内容だと判断して、その示唆を与えているのですね」
教育の一環としての指示という考えだ。仕事に不慣れな人はムダな工程があることが考えられる。仕事のスピードを上げるために、上司からは「早くするにはどうすればいいかを考えろ」という意味で部下に指導することもあるだろう。
ただ仮に指導を目的とするなら、上司は聞き方を工夫する必要はあるだろう。「『確実に仕上がるには、どれぐらい時間が必要?』の方が安心感あるよね」と書く人もいた。